第拾四話
使徒、侵入


諜報部の仕事は二種類ある。
一つは言わずもがな、敵地に侵入しての諜報活動。
そしてもう一つは敵の諜報活動の阻止である。

阻止の方法にも色々ある。
物理的排除から、情報戦により偽の情報を掴ませるなどであるが、今ミサトは物理的排除のための模擬侵入を行っていた。

「全く、なんでこんな簡単に潜り込めるのよ」
それは加持から与えられた情報による物であったが、ミサトはIDカードを通す事なくNERV施設内への侵入を実現したのだ。
そしてミサトはそれを自分の能力と勘違いしていた。

逆に言えば、加持は一つのカードを無くしてまでミサトに仕事を与えたと言える。
これは、加持がNERVと敵対した時に使おうと温存していた侵入経路であったからだ。

ミサトは、ここで自力でどこまでNERVの機密を探れるかを実践しており、これはNERV本部の脆弱な対人邀撃システムの調査として申請して行っているのだ。

今回加持はミサトに、「調べられる所まで調べて構わない」と言っている。
つまり、本来自分のレベルでは見られない情報も見る事が出来れば見ても良いと言う事だ。

この事によりミサトが何の情報を手に入れるかは、解らない。
しかし、加持はそれでミサトの眼が醒めてくれる事に期待していた。

「何これ?腐ってるの?」

ミサトはシミの様に見える蛋白壁を横目で見ながら先へ進んで行った。



「ポチッとなっと」

ナオコの言葉と同時に目まぐるしく流れる画面。

「母さん、これは?」
「単にチェックルーチンをスクリプト化して、コマンド一発にしただけよ」

『MAGI・System、3機共に自己診断モード、入りました』
機械的な音声が流れる。
画面には「MELCHIOR-1」「BALTHASAR-2」「CASPER-3」の3機のMAGIの状態が表示されていた。

「だってチェックルーチンの結果でコマンドを変えないと行けないんじゃないの?」
「そんなの判定文入れれば済む事よ」

「判定文って・・・そんな量じゃないでしょ?」
「それが出来るのがMAGIよ」

『第127次定期検診、異常なし』
リツコの溜息と機械的な終了を告げる音声とは同時に流れた。

「3日前に搬入されたパーツです」
「拡大するとシミのように見えますが何でしょう?」
「第87タンパク壁か・・・」
ナオコとリツコが、定期検診について話している横ではシゲルと冬月が画面を見ながら何かを話していた。

「浸食でしょう。温度と伝導率が若干変化しています」
マヤもナオコとリツコの話に加わっており、その専門的すぎる内容に入れないマコトは、シゲルと冬月の会話に入り込んだ。

疎外感を感じていたのかも知れない。

「また、気泡が混じっていたのかもしれません。工期が60日近く圧縮されていますからね。ずさんですよB棟の工事は」
「無理ありませんよ。みんな疲れていますからね」
シゲルがマコトの言葉に反応したのが嬉しかったのか、マコトは更に軽口を叩いた。

「明日までに処理しておけよ、碇がうるさいからな」
冬月はそんなマコトの「みんな疲れている」と言う言葉に溜息を吐きながら、その処置について緩い対応を指示してしまう。

少しだらけた感じの発令所であるが、使徒が来れば何処よりも緊迫している部署である。
平時は冬月も大目に見ていた。

「あれ?葛城さんこんな所で何してるんだろう?」
「え?どこ?」
マコトの言葉にシゲルも画面を覗き込む。

「まぁた、道に迷ったんじゃないですかぁ?」
「ミサトったら・・・」
マヤとリツコの師弟コンビは呆れた顔でコーヒーを飲んでいる。
いつしか、発令所最上段の全員が一つの画面を覗き込んでいた。

そこには、周りを伺いながら侵攻を続けるミサトが映っていた。

「そう言えば今日は、対人邀撃システムの調査を行うと加持君から申請書が上がっていたな」
「成る程、自ら仮想敵になり侵入していると言う訳ですね」
冬月の言葉に、何故か嬉しそうなマコト。

「ここで発見されたのは邀撃システムのせいでは無い事ですし、見逃して上げますか?」
なにげにマコトはミサトの行動を庇う。

「そうだな、ここで見つかった事にして本来の穴を漏らすと本末転倒だ。許可する」
冬月の言葉にマコトはホッとした表情を浮かべ、本来の仕事へと戻った。



「えぇ〜じゃぁ綾波先輩って泳げないんですか?!」
ここはシンジの執務室。

なぜかアスカがアイスを買い込んでやって来ていた。
そのアイスを持ってきたのは碇シンジである。

アスカとしては、エヴァに乗れなくなった事でNERVに呼び出される事が最近ないため、シンジに会うためにアイスを差し入れに来たのだった。

当然、そこにレイが居る事も計算通りであり、その為に自分と同じ様にNERV内に出入り自由な碇シンジを荷物持ちとして引き連れてきたのである。
一人だと、シンジの所よりキョウコの所に行く方が自然であり、何となく来難かったのだ。

「一応軍事訓練の中に水泳もあったからね。泳げないって訳じゃないけど苦手なんだよ」
アスカの差し入れのアイスを食べながらシンジはアスカの相手をしている。

レイも黙々とアイスを攻略していた。
アスカはもっぱらシンジと話しているため、碇シンジはその様子を眺めているだけであった。

「じゃぁ、今度一緒に泳ぎに行きましょうよ!」
「う〜ん、レイも行く?」

「・・・紫外線は身体に悪いわ」
「あぁそうだったね。じゃぁ海水浴は無理だね」

「じゃぁ室内プールで!温泉プールとかどうです?」
「それなら大丈夫かな?シンジも行こうか」

「えっ?ぼ、僕も?」
いきなり振られたシンジは意味もなく盛大に慌てふためいた。

(そんな、アスカと綾波さんと一緒にそんな所に行ったなんて知れたらクラスの男子から袋叩きにされるよぉ〜)

考えている事は的を射ていたりする。

「決定!じゃあ今度、絶対一緒に行きましょうね!」

うやむやのうちに約束させられコクコクと頷くだけのシンジ。
これが、後に伝説を産む事になるなどとは、この時、誰も気付きもしなかった。



一方、発令所では既に発見されていたのだが、見逃して貰っているミサトはセントラルドグマからターミナルドグマへと向かっていた。
その道行く過程には、嘗て製作に失敗したエヴァのパーツが打捨てられいる。

「エヴァの墓場か・・・」

そして辿り着くヘブンズゲート。
ミサトは加持から与えられたカードをスリットに通す。

開きだす扉の音は、その大きさと誰も居ない静寂を破る事から本来よりも大きく聞こえる。
扉が開いたその先にあるのは、かなりな地下であるのに、かなりな高さと広さを持った異様な空間であった。

ミサトは見た事は無かったのだが、それは今の南極を思わせる景色。
屋内であるはずだが、景色と表現できるような空間であった。

何もない、紅い世界。
そこに漂う液体はLCL。

「こんな何も無い所のセキュリティが何故こんなに高いのかしら」

やはり物理的に見る物は何も無い。
ならば、行き着く先はMAGI。

ミサトは小脇に抱えている小型のノートパソコンを握り締める手に力を入れる。
それは、ハッキング用にカスタマイズした専用機。

溜息を付いてミサトは踵を返した。



盛大に鳴り響く警告音が発令所を支配する。

「何事かね?」
「サブコンピュータがハッキングを受けています」
「侵入者不明!」

冬月の問い掛けにマヤ、マコトの順に答えた。
オペレータ達は、事態の把握と対応に、今までの安穏とした雰囲気を一変させ目まぐるしく端末を操作している。

「疑似エントリー展開します」
「疑似エントリー回避されました」
「逆探まで18秒」
シゲル、マヤ、マコトの報告が矢継ぎ早に成される。

「防壁を展開します」
「防壁を突破されました」
「これは人間業じゃないぞ!」
尚も攻防と報告を行う3人。
その中にマコトの愚痴の様な物も入っていた。

「逆探まで6秒」

「疑似エントリーをさらに展開します」
「逆探に成功!この施設内です」

「特定できました。大深度設備のプリブノーボックスです」
「何ですって!」

叫び声を上げたのはリツコだった。

マヤの端末を一気に操作し、その報告された付近の映像をモニターに映し出す。

「こ、これは・・・ミサト?」
そこに映し出されていたのは、プリブノーボックスから配線を引きずり出し自らの携帯端末に接続して操作しているミサトの姿であった。

しかし、その光景は異様。
周りの壁がまるで電子回路のような光学模様を描いている。
そして、その模様は壁からプリブノーボックスを伝わりミサトにまで及んでいたのだ。

「すぐに保安部員を向かわせて!」
「分析パターン青!使徒です!」

「使徒の侵入を許したのか!?」

「保安部のメインバンクにアクセスしています。パスワードを走査中」
「警報を止めろ。誤報だ、探知機のミスだ。日本政府と委員会にはそう伝えろ」

「12桁、・・・16桁・・・パスワードクリア」
「ジオフロントは犠牲にしても構わん。エヴァは?」

「保安部のメインバンクに侵入されました」
「第七ケージにて待機、パイロットを回収ししだい発進できます」

「内部を読んでいます。解除できません」

「パイロットを待つ必要は無い。すぐ地上に射出しろ、初号機を最優先だ。そのために弐号機を破棄しても構わん」

「ATフィールド発生、保安部員が葛城さんに近付けません」
「何て事!」

「メインバスを探っています」
「まずい、このコードは・・・MAGIに侵入するつもりです!」

使徒の侵入にMAGIのハッキング、発令所に飛び交う命令と報告は、訳が解らなくなっていた。
誰が何を言っているのかさえ解らない。

「I/Oシステムをダウンしろ」
喧噪に包まれる中、ゲンドウが直接指示を出した。

シゲルとマコトが別々のキーを自席のキーエントリーに差し込む。

「カウントお願いします」
「3・2・1・」
同時にスイッチを回すが変化は起きない。

顔を見合わす二人
「もう一度だ」
「3・2・1・」
やはり同じ様に変化無しであった。

「だめです。電源が切れません!」

「使徒、さらに侵入!メルキオールに接触しました」
「使徒に乗っ取られます!」

「メルキオール、使徒にリプログラムされました」

『人工知能メルキオールから自爆決議が提訴されました』

無機質な機械的音声で警告が発せられる。

『賛成』
『否決』
『否決』

『1対2・・・否決』

「バルタザールとカスパーの否決により回避されました」

「今度はメルキオールがバルタザールをハッキングしています。くそっ、速い!」
「なんて速さだ」

そのとき沈黙を守っていたリツコが指示を出す。

「ロジックモードを変更!シンクロコードを15秒単位にして!」

それまで怒濤のような勢いでバルタザールを浸食していた使徒のスピードが停止すれすれまで遅くなる。
発令所全体に安堵のため息が漏れた。

「どのくらい持ちそうだ?」
しかし、冬月の質問に対してのリツコの答えは、さして明るい物とは言えない物であった。

「今までのスピードから見て2時間くらいは大丈夫だと思われます」
「MAGIが敵に回るとはな」

「葛城さん、遂に使徒になっちゃったんですね」
マヤの言葉は、静まり返っていた発令所の全員を凍り付かせる。



いつもの雛壇ではなく、発令所の扉から東洋の三賢者が入ってくる。
その後ろにはシンジ達も伴われていた。

「迂闊だったわね」
ユイがモニターを見て呟く。

「ミサト・・・やっぱり使徒だったのね」
アスカのその言い様に誰も突っ込む事は出来なかった。

「母さん、どうするの?」
「彼らはマイクロ・マシーン。細菌サイズの使徒ね」
リツコの質問に答えながら端末を操作するナオコ。

「多分ミサトちゃんを侵食する事により、この短時間の間で知能回路の形成に至るまで爆発的な進化を遂げたのね」
「進化かね?」
キョウコの推論は飛躍し過ぎている。
冬月は怪訝な表情をして、確認した。

「多分、ミサトちゃんを媒介にする事によって、そこまでの進化の過程をすっ飛ばした。そして操作している端末から自分自身を変化させ、いかなる状況にも対処できるシステムを模索している物と推測されますわ」
キョウコの推論を更に細かく説明するユイ。

実際のところ、この三人は推論と言うより知っている事へこじつけた仮定でしかない。
エヴァに取り込まれた事のある三人は、朧気ながら訪れる使徒の情報を得ていたのである。
それが、どの様な現象が作用した結果なのかは、シンジやレイですら解らなかった。

「まさに生物が生きるためのシステムそのものだな」
冬月が理解した風な言葉を吐いているがゲンドウは黙っていつものポーズを取っている。

「使徒が進化し続けるのなら勝算はありますわ」
「・・・進化の促進かね」
今まで沈黙を続けていたゲンドウがユイの言葉に漸く反応する。

「はい」
「進化の終着地点は自滅・・・死そのものだ」

「ならばこちらで進化を促進させてやればいいわけか」
冬月も漸く話の内容が見え、解決の糸口が見えたと感じたのか、その言葉には安堵の息が含まれていた。

「使徒が死の効率的回避を考えれば、MAGIとの共生を選択するかもしれません」
「目標がコンピュータそのものならカスパーを使徒に直結、逆ハックを仕掛けて自滅促進プログラムを送り込むことができます。ただ・・・」

「同時に使徒に対して防壁を解除することにもなります」
リツコの説明にマヤが言葉を続けた。

「カスパーが速いか、使徒が速いか、勝負だな」
「いえ、プログラムは存在します。問題は・・・」
冬月の言葉にナオコは口籠もる。

「ミサトね・・・」
リツコの言葉に言いようのない沈黙が発令所を包んだ。

「そう、使徒が仮に自滅へと導かれたとして、ミサトちゃんがどうなるかは見当も付かないわ」
「もしかしたらMAGIではなくミサトちゃんとの共生を選択する可能性も有りうるわね」
ユイとキョウコが、その可能性を示唆する。
そして階下に居るシンジ達へと視線を投げ掛けた。



上層部が使徒殲滅について煮詰まっている頃、そのすぐ下のオペレータ達とアスカは緊迫感の無い話をしていた。
勿論、上の相談に邪魔にならないように小さな声であったが。

「ミサトが元から使徒だったんじゃないの?」
「いや、多分あの壁に侵食していたのが本体だと思われるよ」
アスカの言葉に冷や汗を流しながら説明するマコト。

「最初に見つけて自分で殲滅しようとしたのかしら?」
「いや、まさか幾ら葛城さんでも、生身でそんな事は考えないと思うよ」
マヤの言葉に有り得ない事では無いなと思いながらもマコトは否定していた。

「ミサトなら遣りかねないわね」
「確かに否定できないわねぇ」
「あ、アスカちゃんにマヤちゃんまで・・・」
マコトもこれが自分以外のミサトに対する評価だと認識する以外なかった。



「これは、また予想外の展開だね」
「・・・そうね」
シンジとレイは誰にも聞こえない様な小さな声で会話している。

「ミサトさん助けられるかな?」
「・・・解らない」

「でも、僕達が行かなければ確実に助からないだろうね」
「・・・そう、そうかもしれない」
シンジはその言葉とは裏腹にかなり焦っていた。

ふと視線を上げると、縋る様な眼で自分達を見詰める三賢者とリツコ。
シンジとレイは頷くと発令所を後にした。



「あんた誰よ!使徒?!そう使徒なのね」
ミサトは紅い世界で自分と同じ姿をした者と対峙していた。

瞬間、銃を構えようとするミサト。
しかし、ここには銃は存在しなかった。

「私と一つにならない?」
俯いたミサトと同じ姿をした者が語りかける。

「いやよ!私はあんたじゃないわ!」
「そう、でもだめ、もう遅いわ。私の心をあなたにも分けてあげる。この気持ち、貴女にも分けてあげる。痛いでしょ?、ほら、心が痛いでしょ?」

「痛い?いえ違うわ、寂しい。そう、寂しいのね」
「寂しい?、分からないわ」

「一人が嫌なんでしょ?私たちは沢山いるのに、一人でいるのが嫌なんでしょ?それを寂しい、というの」
「それはあなたの心よ、憎しみに満ち満ちているあなた自身の心よ」

顔を上げたミサトと同じ姿をした者は、顔一杯に口を拡げて嗤っていた。

「貴女に良い物を見せてあげるわ」
その言葉と共にミサトの中に膨大な情報が流れ込んできた。

MAGIと一体化しているイロウルはミサトの欲望を感じ取り、MAGIの中からミサトの欲する情報を引き出し、流したのだ。

「ぐゎぁあぁっ!」
その情報量と内容に頭を抱えるミサト。



発令所に鳴り響くけたたましい警告音。

「始まったの?」
リツコが顔を上げ、ナオコの方に向き声を発した。

「来た!バルタザールが乗っ取られました」
しかし、すぐさま隣に居るマコトからの報告が行われる。

『人工知能メルキオールから自爆決議が提訴されました』

『賛成』
『賛成』
『否決』

『2対1・・・可決』
無機質な音声で告げられる最後通告。

『人工知能により自律自爆が決議されました。結果は三者一致の後、ゼロ2秒後に実行されます。自爆範囲はジオ・フロントとその周辺2キロメートルです』

「こんどはメルキオールとバルタザールがカスパーにハッキングを仕掛けています」
「なんて速度だ!」

「押されているぞ」
「自爆装置作動まであと20秒」

「もう時間が無いわ!レイ君から連絡はまだ?!」
ユイが悲鳴にも似た声を上げる。

「カスパー、18秒後に乗っ取られます」
「あと16秒」

「リっちゃん準備は良い?!」
「何時でもいけるわ」

「10秒」
カスパーが使徒に乗っ取られるまでのカウントダウンが始まった。

「ミサトちゃんごめんなさい。ナオコさん実行を」
ユイの指示が飛ぶ。

「9秒」
「8秒」
「7秒」
「6秒」
「5秒」
「4秒」

「リっちゃん!」
「マヤ!」
ナオコがリツコに指示をし、そのままリツコがマヤに伝える。

「3秒」

「いけます!」

「2秒」

「押して!」
ナオコの指示と共にリツコとマヤが実行キーを押した。

「0秒」

静まり返る発令所。

浸食のパターンをイメージ表示していたディスプレイでカスパーの最後のブロックが点滅を繰り返している。
既にディスプレイの99%までが使徒に浸食された赤のブロックで埋められていた。

最後のブロックが緑で固定された後、一気に全ブロックが緑に書き換えられる。

『人工知能により自律自爆が解除されました』
『MAGIシステム通常モードに戻ります』
『シグマユニット解放、MAGIシステム再開までゼロ3秒です』

無機質な音声で自爆の解除が告げられ、発令所内に安堵の息が漏れた。
その時、保安部から連絡が入る。

『綾波二尉が葛城一尉を確保しましたが、どうすれば宜しいでしょうか?』

「綾波二尉に任せろ」

『了解』

ゲンドウと保安部の遣り取りにリツコはホッと安堵の息を漏らす。
しかし、三賢者の顔は険しいままであった。

「パターン青は?」
「あっはいっ!パターン青消滅。使徒の反応消滅しました」
ナオコに促されシゲルは、職務を全うした。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。