第拾話
マグマダイバー


「修学旅行?別に行かなくてもいいわよ」
風呂上がりに髪をバスタオルで巻きながらアスカは興味なさ気に言い放った。

ここはジオフロントにある居住区のアスカの部屋である。
ミサトは再三に渡り、アスカに一緒に住まないかと言っているが頑なにアスカがそれを拒絶しているのだった。

アスカにしてみれば当然である。
シンジの居ないミサトの家は想像したくもなかった。
それより、ここに居れば、掃除洗濯は自分でやるとしても食事は食堂に行けば何時でも食べられるのだ。
ミサトの散らかした分まで掃除する気にはなれないアスカは当然、同居を頑なに拒んだのだ。

「えっ?いいの?」
戦闘待機のため修学旅行に行けない事をアスカに伝えるのはミサトとしては気が重かった。
使徒さえ絡まなければミサトは気の良いお姉さんなのだ。

本当は戦闘の無いときぐらい、14歳らしい生活を謳歌させてあげたいとは思っている。

しかし、いざ使徒が絡むとそのような感情も消え失せ、周りが見えなくなるのだった。
これは、シンジがリツコに渡したディスクに克明に情報が載っているが、そのように条件付けをされているためだ。

現状、リツコはこっそりと薬物投与を行っている。
リツコの部屋でミサトが使うカップや、ミサトに渡す薬の中に混ぜているのだった。

「それよりジャージには、それ伝えたの?」
「いや、これから・・・タハハ」
「私は嫌だからね、自分で伝えなさいよ」
アスカはそう言うと冷蔵庫から牛乳を取り出しパックのままグビグビッと飲んだ。

「もうそんな時期か・・・」
ミサトが出て行った後、アスカはポツリと呟いた。

「今回はシンジは居ないから上手くやらないとね」
アスカの呟きを聞くものは居なかった。



第壱中学の生徒達が修学旅行に出かけているその日、アスカはNERVの屋内プールで浮かんでいた。

「やっぱり独りはつまらないわねぇ、かと言ってジャージを誘う気にもなれないし」
アスカはシンジと会った日を思い出していた。



「じゃぁ総流さんは大学も出て居るんだ、凄いなぁ」
碇シンジが驚愕している。

アスカはなんとなく遣り辛そうだ。
「あんた、あたしの事はアスカって呼びなさい、なんか背中がムズムズしてくるのよね」
「ご、ごめん、ア、アスカさん」
「ア・ス・カ」

「ア、アスカ」
「それでよし」
「ファースト!あんたもよ」
「・・・じゃぁ私もレイって呼んで、アスカ」
綾波レイはもう充分、自我を確立していた。

「うっ・・・そ、そうね解ったわレイ」
遣りにくいと思うアスカだった。

「シンジとレイが2人ずつ居るのってなんか呼び辛いわね、あんた達はバカシンジとバカレイでいいわね」
アスカがシンジとレイに向かって意地悪く言った。

「・・・嫌」
間髪入れずレイが答える。

「じゃぁ何て呼べばいいのよ?」

レイは人差し指を顎に当て小首を傾げて考えた。

(ぐっこいつ何時の間にこんな可愛い仕草を・・・)

「・・・別にレイでも困らないわ」
「ややこしいって言ってるでしょ!」

そしてまた同じポーズを取り考えるレイ。

「・・・アンガー少将、サブゼロ、レイ、それくらいね、今呼ばれているのは」
「サブゼロって何よ?あんたらしいけどさ」

「・・・通り名よ、シンジ君がルシフェル、カヲルはスマイルと呼ばれているわ」
「そ、そうなんだ」
アスカは「似合わねぇ」と思いながら冷や汗を流した。

ポンッとアスカが手を叩いた。
「あんた達は銀シンジに銀レイね!これで決まり!」
アスカは「どうだ良い考えだろ」とばかりに胸を反らして腰掛けた。

シンジは苦笑いしている。
レイは不満気に頬を膨らませていた。
カヲルは銀カヲルと呼ばれなくって良かったと胸を撫で下ろしていた。

「アスカ?」
「何よ!文句あるっての?」
アスカはまだ不満なのかと怪訝な顔をしている。

「いや、呼び方はあんまり芳しくはないけど、まぁ置いておくとして、アスカさえ良ければ、早々にエヴァを壊して、ここで時を待っても良いんだよ」
「え?」

「今すぐ決める必要はないけど、選択技の中に入れておいてくれるかな?」
「それは構わないけど、それってどういう事なの?」

「どう転んでもNERVは最後には禄な事にならないと思うんだ。まぁリツコさんや副司令辺りが頑張るかもしれないけど、ゼーレの下位組織である事には変わらないからね」
「う〜〜ん、それで?」
まだ判断材料が少ないとアスカが先を促した。

「上手くNERVが生き残る可能性もあるけど、その可能性よりアスカが危険な眼に会わない可能性の方が低いと思うんだ」
「あたしが危険な眼に会うってどういう事よ」

「切羽詰まって来たゼーレがアスカを確保したり、サードインパクトが未遂に終ってもその後拉致されて次ぎの計画に利用されたり、エヴァのパイロットって事で他の組織に拉致される事も考えられるんだ」
「成る程、NERVが例え生き残ったとしてもあたしを守れる程の力を残す可能性は低いって事ね」
アスカは漸くシンジの言っている事が飲み込めた。

「そうなんだ、だから死亡した事になれば、後で別な戸籍を作っても良いし、他の国で暮らしても良いと思うんだ」
「シンジとレイは?あっシンジは死んだ事になってたわね。レイも?行方不明って聞いてるけど」

「綾波さんは、元の身体だと延命治療を受けなければならなかったし、行方不明になった時、重傷って事になってたから、NERVでは死んだと思ってると思うよ」
「そう言う事・・・」

「上手く行けば綾波さんとシンジは、碇家に似た孤児を見つけたから養子にしたと言う事で戻って貰おうと考えている。上手く行かない場合はどこか別の所で暮らして貰う事になる。そのために、この間は北海道に下見に皆で行って来たんだ」
「ふーん、考えておくわ」
アスカはジュースをストローで吸いながら、そう言った。



そこまで思い出して、アスカは水に潜った。

(シンジ達と暮らすのも悪くはないわね・・・)
水に潜りながらアスカは考えていた。
因みに、アスカの水着は前回のハイレグビキニではない。
黒のシックなワンピースでどちらかと言うと前の物より際どかった。



浅間山でミサトは調査作業を行っていた。

『限界深度、オーバー』

「続けて」
研究所内の研究員達の間でざわめきが起る。
まだ使徒は発見されない。

「もう限界です!」
「いえ、後500、お願いします」

『深度1200、耐圧隔壁に亀裂発生』

「葛城さん!」
「壊れたらウチで弁償します。後200」
まだ問題の影は発見されない。

「モニターに反応」
「解析開始」
「はい」

『観測機、圧壊』

「観測結果は」
「ぎりぎりで間に合いましたね。パターン青、使徒です」

「これより当研究所は、完全閉鎖。NERVの管轄下に入ります。今後別命あるまで、研究所における一切の入退室を禁止。現在より、過去6時間での全ての情報を部外秘とします」

ミサトが携帯で話す。
『六分儀指令あてにA-17を要請。大至急』

『気をつけてください。これは通常回線です』
『わかってるわよ、さっさと守秘回線に切り替えて!』
シゲルの忠告もあっさり叱責へと代わった。



人類補完委員会で会議が行われていた。

「A-17・・・こちらから、打って出るのか」

男の声が、小さな驚きを含んで、言葉を発する。

「使徒を捕獲するつもりか」
「しかし、その危険は大き過ぎるのではないか?」
「左様、セカンドインパクトの二の舞とも成りかねない。」

「生きた使徒のサンプル、これがいかに重大な物であるかは自明の理です。」
ゲンドウは、低い声で答えた。

「いずれにせよ、失敗は許されんぞ」
キールの言葉と同時に、老人達は、闇に消えた。

「・・・失敗か・・その時は人類は消えているよ・・」
冬月が、呟くように言う。

「ああ、失敗しても我々は責任を取る必要は無い、我々も、そして責任を追及する老人達も消えているのだからな」



ブリーフィングルームでは使徒捕獲の説明が行われていた。

「これが使徒でっか?」
トウジが尋ねた。
「そうよ、まだ完成体になっていないサナギの状態みたいなものよ。今回の作戦は使徒の捕獲を最優先とします」
リツコが説明する。

(嘘ね、そんな何時孵化するか解らない物をここに置いて置く方が危ない・・・)
(目的はA-17による徴発ね・・・)

アスカは正確に判断していた。

浅間山のマグマの中で発見された使徒のサナギの映像を映しながら、リツコが今回の作戦に関する詳細の説明を始めた。

「出来うる限り原形をとどめ、生きたまま回収する事」

「出来なかった時は?」
アスカが質問する。

「即時殲滅、いいわね」
「了解」
アスカは、淡々と答えた。

「担当だけど・・・」
「あたしがやるわ」
アスカが手を挙げる。

「そうね、アスカ、弐号機で担当して」
担当を決めかねていたリツコはこれ幸いと指名した。

「任せておいて」
アスカは使徒の映像を睨付け静かに言った。

「わしは?」
「トウジ君も参号機で出動、アスカのサポートをお願いするわ」

「了解です」


「格好悪いけど、我慢してね」
アスカはケイジで弐号機を見上げ呟いた。



浅間山で準備が整おうとしていた。

「あれ?、加持さんは?」

『あのバカは来ないわよ、仕事ないもの』
アスカの問い掛けにミサトは怪訝そうに答えた。

「そう」
静かにアスカが呟いた。

「なんですぅ?あれ」
上空を飛んでいる飛行機を見つけたトウジが聞いた。

『UNの空軍が空中待機してるのよ』
『この作戦が終わるまでね』

「手伝ってくれるんでっか?」
明るい声でトウジが聞いた。

『いえ、後始末よ』
『わたし達が失敗した時のね』
ミサトとリツコが交互に言う。

「どういうことでっか?」

『使徒をN2爆雷で熱処理するのよ、わたし達ごとね』

「酷っ!誰がそんな命令出すんでっか?!」

『司令よ』
ミサトが平然と言った。

「見て見てジャージ!ジャイアントストロークエントリー!」

そう言いながらマグマに入っていくアスカ。

「ジャイアントなんとかって何でっか?」
トウジには何の事か解らなかったようだ。

『限界震度オーバー』
『アスカ、どう?』
「まだ持ちそう。さっさと終わらせてシャワー浴びたい」

(やっぱりサウナスーツね)

アスカは呟いた。

『近くに良い温泉があるわ。終わったら行きましょう。もう少し頑張って』

ビシッ!

耐熱装備が軋み始め足に巻いて装備していたプログナイフが脱落してマグマの底へと消えて行く。

『エヴァ弐号機、プログナイフ、焼失』

(くっ!そうだった。まずいわね・・・)

アスカは歯噛みした。

『限界震度プラス200』
『葛城さん、もうこれ以上は!今度は人が乗っているんですよ!』
『この作戦の責任者は私です。続けて下さい』
ミサトが画面から眼を話さず言った。

弐号機は着々とマグマの中へ降りて行く。

暫くしてアスカから通信が入った。

「居た!」

『お互い対流に流されているから、接触のチャンスは一度しかないわよ』
リツコが素早く弾きだした計算による情報をアスカに与えた。

「わかってる」
そう答える映像のアスカは、汗だくだった。

『目標接触まであと30』

電磁柵で使徒を慎重に捕獲するアスカ。

「電磁柵展開、問題無し。目標、捕獲しました」

『ナイス、アスカ!』
仮設の発令所から、ミサトを含めて一斉に安堵の溜息が漏れた。

「あなたもホントは今回の作戦、怖かったんでしょ」
「当然よ。下手に使徒に手を出せば、あれの二の舞ですからね」
「そうね。セカンドインパクト・・・二度とごめんだわ」
リツコとミサトがもう成功した気になっている。

使徒のサナギを捕獲した弐号機は、冷却パイプに引き上げられるように浮上を開始した。

ビーーーッ!

突然、仮設の発令所内に警報音が鳴り響いた。

『まずいわ、羽化をはじめたのよ!計算より早過ぎるわ』

「ジャージッ!ナイフを投げて!!」
アスカが叫ぶ。

「えっ何でや?」
「良いからさっさと投げて!」
「ホンマ、イケ好かんやっちゃで」
ぶつぶついいながらトウジはプログナイフをマグマに投げ入れた。

『・・・捕獲中止、キャッチャーを破棄。作戦変更、使徒殲滅を最優先!』

アスカの通信に一瞬気を取られていたミサトだったが即座に作戦変更の指示を出した。

「きゃー来ないでぇ、早く来てぇ〜!」

使徒が目視できるのだが、ナイフがまだ来ない事に焦りを感じアスカが口走る。

そこに使徒が突っ込んできた。

「くっ、バラスト放出!」

アスカは、バラストを切り離して軽くなった分だけ浮かび上がる事で使徒との衝突を回避した。

「見失ったか・・・」

使徒はマグマの対流に乗って弐号機から離れて行き視界から消えた。

「来た!」

アスカは落ちてきたナイフを装備した。
それとほぼ同時に対流で回遊してきた使徒が、正面に姿を現した。

アスカは冷却パイプの1本をプログナイフで切り、使徒の口に突き刺した。

「冷却液の圧力を全て3番にまわして、早く!!」

『熱膨張ね!アスカ凄いわ、急いで!』
リツコはアスカの咄嗟の判断に賞賛した。

内側と外側の圧力差で使徒の皮膚が微妙に歪んだところに、突き立てたナイフは内部に食い込み始め、使徒はそこからボロボロと崩れ落ちるように消えていった。

「ふぅ・・・何とかなったわよバカシンジ」
アスカは誰にも聞こえないぐらい小さな声で呟いた。



「流石アスカだね、同じ轍は踏まないか」
「・・・そうね」
「準備してきたけど無駄になったねぇ、まぁその方が良いんだけどねぇ」
上空で待機していた、シンジとレイとカヲルにも安堵の息が漏れた。



運営が停止されているはずの浅間山が見えるロープウェイに加持と女性が話しをしていた。

「A-17、何故止めなかったの?」
「私にそんな権限はありませんよ。発令は正式な物でしたんでね」

「A-17、それには現有資産の凍結も含まれていた」
「お困りの方も、さぞ多かったと?」

「失敗していればセカンドインパクトの二の舞だったわ」
「彼らはそこまで傲慢じゃありませんよ」

そう言うと加持はじっと浅間山の火口を見ていた。



「ごめんくださーい。ネルフの関係の人、いますか」
「あ、ほーい」

トウジが出てみると、クール宅急便の宅配員がダンボールを一つ抱えて玄関で待っていた。

「宅急便です。ここにサインをお願いします」
サインするトウジ。

「毎度どうも」

差出人を見てみると、加持リョウジとなっている。

「加持?誰や?・・」
オーバーザレインボーで会っているのにすっかり失念しているトウジだった。

そしてダンボールを開けようとすると中からはペンギンがバサバサッと飛び出してきた。

「ペ・ペ・ペ・ペンギン?!」

トウジは慌てているがペンギンは「クェー」と一声、ペタペタと走り去る。

「な、何でペンギンが?」
未だ呆然としているトウジだった。


温泉ではアスカとミサトが浸かっていた。

アスカ我知れずミサトの傷跡を凝視してしまっていた。

「あぁこれ?セカンドインパクトの時にちょっちね」
ミサトは戯けて言った。

「ミサトさぁ、あんたもシ、SCS司令が発令所で話した事聞いていたんでしょ?」

ミサトは眉を顰めた。
「えぇ」

「じゃぁなんで、使徒にそんな拘るの?」

「解らないわ、使徒が出てくると違う自分が居るみたい」
リツコの投薬が効いているのか、最近はミサトもそれが変だと思えるようになっていた。

無論、リツコは投薬だけでなく、色々な手法を試みていた。

「まぁ使徒は倒さなければいけないとは思うけどね、全部倒したらミサトどうすんの?」
「解らない、その時に考えるわ」
「そう」
アスカもそれ以上聞かなかった。

そこに乱入者が入って来た。

「あ、あんたは・・・」
ミサトがそれを見て口を開けたままになった。

「レ、レイ?」
アスカも口が開いたままだ。

「・・・私達も上空で待機していたわ」
レイがそう言って湯に浸かった。

「そ、そうだったの」
アスカが何とか声を出したがミサトは、まだ固まっていた。

「・・・葛城一尉?」
「な、何よ」
ミサトは敵対心丸出しで答えた。

「・・・後で一緒にお酒でも飲む?」
「へ?」
ミサトは1オクターブ外れた声を出した。

「・・・嫌ならいいわ、奢るけど?」
「い、いいわよ、付き合うわよ!」
ミサトのその返事を聞いてレイはニッコリと微笑んだ。

「・・・アスカも一緒に」
「わ、解ったわ」
実はアスカは、「自分は14歳の体型のままなのになんでファーストはこんなナイスバディなのよっ」と唖然としていただけだった。



そして、ミサト、アスカ、トウジ、シンジ、レイ、カヲルで宴会が開かれていた。

アスカは何かシンジに魂胆があるのかと思ったが、単なる宴会だった。
レイはシンジにピトッとくっついてクピクピと飲んでいる。

「いい?使徒はエヴァで私が倒すの!あんたらは出てこなくていいからねぇ」
ミサトはかなり酔っぱらっていた。

「期待してますよ」
シンジはニッコリと微笑んでそう言った。

「温泉に日本酒、日本の産みだした文化の極みだねぇ」
カヲルはいつもの口上を述べていた。

「そうよん、それで良いのよん」
ミサトは出来上がっている。

パタンとミサトが酔いつぶれて寝てしまった。
トウジはとっくにミサトに酔わされてペンペンと仲良く寝ている。

「ちょっと涼みに行こうか」
シンジが提案し、4人は外に涼みに出かけた。

レイはほんのり顔を紅くしてシンジに寄り添っている。

「ミサトってあんなお酒弱かったっけ?」
アスカが記憶と違うミサトの酒の弱さを不審に思った。

「リツコさんが密かにミサトさんを治療しているみたいでね、それで代謝機能が健全になってきているみたいだよ」
「治療って?」
アスカが更に不審な顔をした。

「ミサトさんはね、かなり強烈なマインドコントロールが施されているんだよ」
「それって!」

「そう、ミサトさんの異常な行動はそのせいみたいでね。その情報をリツコさんに渡したら、やっぱり親友なんだね、密かに治療してくれている」
「そうだったんだ」
アスカは眉を顰めた。

「ねぇあんた達もあたし達が失敗したらN2落とすために居たの?」
「企業秘密」
シンジはそう答えた。

「・・・アスカを助けるために決まってるわ」
レイがぼそっと言った。

「レイ?酔ってる?」
「・・・この人には本当の事を言ってあげないと駄目」
「そうだね、悪かったよ」

「バカッ」
アスカはそう言うと赤くなって俯いていた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。