第七話
札幌いいとこ


司令室でゲンドウが電話で話をしている。

「また君に借りが出来たな」
『返すつもりもないんでしょ。で、どうです?例のものは。こっちで手、打ちましょうか?』

「いや。君の資料を見る限り、問題はなかろう」
『では、シナリオ通りに』

「気をつけたまえ」
『あなたこそ、気をつけた方がよろしいのでは?最近はまた、うるさ方もいらっしゃるようで』

「フッ・・・問題ない」
『そうですか・・・では』



シンジ達は札幌に来ていた。
前回の使徒戦前に約束していたお買い物だ。

ここは大通り公園、広い中央分離帯を公園としている札幌でも有名な場所だ。
セカンドインパクト前には雪の降る季節に雪祭りと言われる、大きな雪像を並べて祭り事を行ったらしい。
近くには、かの有名な時計台がある。

「折角来たんだから時計台でも見て行こうか」
シンジが提案すると、皆賛成した。

道行く人に聞きながら辿り着いたそこにあるのは、ビル街にポツネンと存在する古い小さな洋館であった。

「もっと大きいものを想像してましたよ」
碇シンジが時計台を眺めながら感想を述べた。

周りに走る道は4車線の大きい道路と3車線の一方通行の道路。
周りには14〜5階立てのビルが立ち並ぶところに精々2階立ての洋館はとても場違いに映った。

「まぁ1世紀以上前の建物だからねえ」
シンジも想像と違い、そう言うのがやっとだった。

そして一行はJR札幌駅へと向かう。
ここのJRタワーと呼ばれるとこにあるホテルのレストランが眺めもよく、リーズナブルだと、「札幌食べ歩き情報」に書かれていたらしい。

レイ二人に「・・・ここがいいの」と言われれば、シンジ二人に抗う術はなかった。
シンジが良ければカヲルに異存があるはずもなく簡単に決まってしまったのだ。

運良く窓際に座れた一行は、暫し景色を堪能していた。
眼下に見える物は大した事はないのだが、あまり高い建物がない札幌は遠くまで見通せた。

「向こうに見えるのはきっと石狩湾だね」
「じゃぁあっちの方が小樽かな」
シンジ二人が見える物について話をしていた。

カヲルは・・・すすきのTown情報を見ていた。

「楽しそうだねぇ、キャバクラはリリンの産み出した風俗の極みだねぇ」
何やら妖しい事を呟いている。

バイキング形式でたっぷりお腹も膨れた一行は買物に向かった。

最近、表に出ていなかった綾波レイと碇シンジは大いに喜んだ。
綾波レイも今ではファッションにも興味を示していた。
碇シンジの方はと言うと、やはりその辺りは無頓着であった。

シンジ二人とカヲルが大量の荷物を抱え地下街を歩いていると綾波レイが立ち止まった。
じっと見ているのはディスプレイされた際どいランジェリー。

「あ、綾波ぃ〜〜」
碇シンジは顔を真っ赤にしている。

「・・・これは何?」
白いバーゲン品の様な下着しか知らなかった綾波レイにとってそれは珍しい物だった。
ファッションに興味を示し出したと言っても、そこまではまだ到達していなかったのだ。

「・・・貴方にはまだ早い」
レイはそう言いながらも綾波レイを店の中に連れて行ってしまった。

「「はぁぁ」」
と溜息を吐くシンジ二人だった。

地下鉄のロッカーに荷物を押し込め、一行は再び観光に出かけた。
事の発端は、レイが「札幌食べ歩き情報」に書かれている文字をシンジに聞いた事から始まった。

「・・・これは何と読むの」
そこに書かれていたのは「六花亭」と言う文字だった。(実在します)

「それは「ろっかてい」かな?御菓子やさんみたいだね」
「・・・行ってみたい」

決まりだった。

シンジ達はタクシーに乗り、一番近いその店をお願いした。
そこは裏参道と呼ばれる所だったらしい。

店に入ると、ショーウインドウに和菓子やケーキが多量に並べられており、買った物をそこで食べる事もできるようだった。

よく入るなぁと思う男性陣だったが
「・・・甘い物は別腹」
と言うレイの一言で沈黙させられた。

そして、円山公園と言うところが近くにあると聞き、一行はそちらに散歩に出かけた。
その先には北海道神宮と言うのがあって、一行はお参りまで済ませてしまった。

綾波レイ、碇シンジ、カヲル、レイ、シンジの順番で並び参拝する。

「シンジ君二人に囲まれて、これを幸せって言うんだろうねぇ」
独り悦に入っているカヲルだった。

境内まで続く石畳や、厳かな雰囲気がレイ二人には新鮮だったらしい。
かなり気に入ったようだった。

そんな中、巫女衣装を着せてみたいなぁと言う思いになったシンジ二人が居たのは秘密である。

夜も食べて行こうと言う事になったのだが、今度はカヲルが絶対すすきのに行くと聞かなかった。

すすきのは凄かった。

風俗からスナック、普通の居酒屋まで同じビル内に混在していたのだ。
一行はビルに入り所定の階のボタンを押したのだが、同乗していた人が降りる階でエレベータの扉が開くと殆ど裸かと言う女の人が正座で迎えて一行は慌ててそのビルを後にした。
慌てたのはシンジ二人だけだったのだが。

道には客引きの嵐、若い女の娘達が「ゆびまんokですよ〜」とか叫んでいる。

「・・・ゆびまんって何?」
「さぁ?」
レイが尋ねたがシンジは素っ惚けた。

すすきののメインストリートを歩いていると「さっぽろっこ」と言う文字が眼につき一行はそこに入る事に決定した。(実在します)

居酒屋だったが食べ物が美味しく皆、大満足だった。
無農薬新鮮野菜を売り物にしているところもレイ二人には気に入ったのだろう。

「今の時代で添加物無しってのはすごいね」
「・・・港が近いからお魚も新鮮なのね」

「・・・インカのめざめって栗?」
「ジャガイモだよ」

「うーん、新鮮な刺身と日本酒、日本独自の文化の極みだねぇ」
カヲルはまたも意味不明な言葉を口走っていた。



シンジ達が札幌で平和に遊んでいた頃ミサト達は旧東京へ来ていた。

放置されたままのインテリジェントビル群。
下は海面。ドス黒く、一部は七色に輝いている。
全く生命を感じない場所。
広大な埋め立て地。所々、傾いたビルが顔を出している。

「ここがかつて、花の都と呼ばれていた大都会とはね・・・」

ミサトはその上空をヘリで飛びながら、眼下に広がる惨状に思わず呟いた。

「眠らない街、とも言われていたみたいですよ」

パイロット席から声がする。

「眠らない街、か、悪いわね、こんな事まで頼んじゃって」
「いえ、これも仕事ですから」

パイロット席の男は笑って答える。

「見えたわよ」

その声に促されミサトが前を見ると、そこには巨大な箱状の建物が見えた。
またしても声を上げるミサト。

「何もこんなところでやらなくてもいいのに・・・で、その計画、戦自はからんでるの?」
「戦略自衛隊?いいえ、介入は認められず、よ」
「どうりで好きにやってるわけね」

記念パーティー会場では、先程から延々とJA(ジェットアローン)に関する説明がされていた。

会場真ん中に置かれたネルフの招待席、他の席と違い料理は無く、真ん中にビールが数本置かれているだけだった。

「質問を宜しいですか?」
「これは、これは、御高名な赤木リツコ博士、どうぞ」

「先程の説明ですと、内燃機関を内蔵とありますが」
「ええ、本機の大きな特徴です。連続150日間の作戦行動が保証されております」

「しかし、格闘戦を前提とした陸戦兵器にリアクターを内蔵することは、安全性の点から見てもリスクが大きすぎると思われますが?」
「5分も動けない決戦兵器よりは、より役に立つと思いますよ」

会場から小さな失笑がわく。
毅然とした態度で続けるリツコ。

「遠隔操縦では、緊急対処に問題を残します」
「パイロットに負荷をかけ、精神汚染を起こすよりは、より人道的と思います」

リツコの傍らで、つまらなそうにミサトはストローを口で遊んでいる。

「よしなさいよ、大人げない」

だがリツコは耳も貸さない。

「人的制御の問題もあります」
「制御不能に陥り、暴走を許す危険極まりない決戦兵器よりは、より安全だと思いますよ。制御できない兵器など、ヒステリーを起こした女性と同じですよ。手に負えません」

先程よりもやや大きめな冷笑が会場にわいた。
なおも気にせず続けるリツコ。

「その為のパイロットとテクノロジーです」
「まさか、科学と人の心があの化け物を抑えるとでも・・・本気ですか?」
「ええ、もちろんですわ」

なかば嘲るような男の問いに、大真面目に答える。

「人の心などと言う、曖昧なモノに頼っているから、ネルフは先のような暴走を許すのですよ。その結果、国連は莫大な追加予算を迫られ、某国で二万のが死者を出そうとしているのです。よかったですね、ネルフが超法規にて保護されていて。あなた方はその責任をとらずに済みますから」

「何とおっしゃられようと、ネルフの主力兵器以外、あの敵性体は倒せません」
「ATフィールドですか。それも今では、時間の問題に過ぎません。いつまでもネルフの時代ではありませんよ」

今度こそあからさまに、ホールに響く笑い声。
真っ赤になりながらも、その場で耐えているリツコ。
手に持っているパンフが震えている。

ストローを口にくわえたまま、取り澄ましているミサト。

控え室に入るとリツコは表情を一変させた。
「大した事ないわね・・・ただ、誉めてもらいたいだけのつまらない男」

リツコはパンフレットに火をつけ、ごみ箱に捨てた。
ミサトはロッカーに当たり散らして居た。

「どうせうちの利権にあぶれた奴らの嫌がらせでしょ」
「それよりも極秘情報がダダ漏れね。諜報部は何やってるのかしら?」

集まった人達の眼前に広がる埋め立て地、そこでスライドしていく建物。
中から巨大ロボットの姿が現れてくる。

「これより、起動テストを始めます。なんら危険は伴いません。そちらの窓から安心してご覧ください」

みんな一斉に双眼鏡等を顔に当てる。
冷めた目で見ているリツコ。

時田はそれにはもう構わず、指令を下した。

「テスト開始」

その声と同時に管制員二人がせわしくキーを叩き始めた。

「全動力開放」
「圧力、正常」
「冷却機の循環、異常なし」
「制御棒、全開へ」
「動力、臨界点を突破」
「出力問題なし」
「歩行開始」
「歩行、前進微速。右脚、前へ」
「了解。歩行、前進微速。右脚、前へ」

右足を前に出し、二足歩行を始めるJA。
トーチカ内にオオォ、と感嘆の声が上がる。

「バランス、正常」
「動力、循環、異常なし」
「了解。引き続き、左脚、前へ。よーそろ」

ゆっくりと歩行を続けるJA。

「へ〜ぇ、ちゃんと歩いてるじゃん」
「自慢するだけのことは、あるようね」

突如ビーッと警告音がなり始める。

「なんだ、どうした?」
「変です。リアクターの内圧が上昇していきます」

「一次冷却水の温度も上昇中」
「減速材は!?」

「駄目です!!ポンプ出力低下!」
「そんな馬鹿な!?」

前進を続けるJAが真っ直ぐ、トーチカに向かってくる。

「ちょっと、まずいんじゃない?」

ミサトは腰が引けてきた。
一同すでに、慌てて軌道上から蜘蛛の子を散らすように逃げている。

「いかん!リアクター閉鎖。緊急停止!」
「停止信号、発進を確認」
「受信されず!」
「無線回線も普通です。制御不能!」

目前に迫るJA。

「うわあああっ!!」

トーチカを踏みつぶし、なおも前進するJA。

「造った人と同じで礼儀知らずなロボットね」

ビーッと鳴り始めるさっきよりも派手な警告音!
真っ赤に変わるモニター。

「加圧器に異常発生!」
「制御棒、作動しません!」
「このままでは、炉心融解の危険もあります」

「そんな馬鹿な・・・JAにはあらゆるミスを想定し、全てに対処すべく、プログラムは組まれているのに。このような事態は有り得ないはずだ」

「だけど今、現に炉心融解の危機が迫っているのよ!」
ミサトは時田に突っかかっていった。

だが時田はただ首を横に振るだけだ。

「こうなっては自然に停止するのを待つしか方法は・・・」
「自然停止の確率は?」
「0.0000002%。まさに奇跡です」

管制員の一人がフォローする。
ミサトはそれを聞くと、再び時田に詰め寄った。

「奇跡を待つより捨て身の努力よっ!停止手段を教えなさい」
「方法は全て試した」

「いいえ、まだ全てを白紙に戻す、最後の手段が残ってるはずよ。そのパスワードを教えなさい」
「全プログラムのデリートは最高機密、私の管轄外だ。口外の権限はない」
「だったら命令をもらいなさい!今すぐっ!」

フラフラとしながら部下の一人に差し出されたボロボロの電話を使う時田。

「第2東京市の万田さんを頼む。そう内務省長官だ」

しかしなかなか話は進んでいないようだ。

『ああ、その件は八杉君に任せてある。彼に聞いてくれ』

『そういう重要な決定事項は口頭ではねぇ。正式に書簡で回してもらえる?』

「くそっ!」
「たらい回しか」

やがて電話をおく時田。

「今から命令書が届く。作業は正式なものだ」
「そんな、間に合わないわ!爆発してからじゃ、何もかも遅いのよ!」

そうこうしている間にもモニターには、廃墟の街を進むJAの姿が。

「JAは厚木方面に向かい、進行中」

新たな警告音。
赤ランプの警告灯がまた一つ増える。

「時間がない。これより先は私の独断で行動します。悪しからず!」

控え室ではミサトが着替えながら電話をしていた。

「あ、日向君。厚木に話、つけといたから。どうだった、連絡取れた?」
『はい、今、参号機に搭乗準備を行っています』

ミサトのしようとしていることを考えてリツコは、呆れるのを通り越して怒っていた。

「無駄よ!おやめなさい、葛城一尉。第一どうやって止めるつもりなの」
「人間の手で、直接」

そう言って開いたロッカーの中には、放射線防護服。


機内で説明を聞いて、ミサトを手のひらにのせ参号機が降下する。

ミサトの指示通り、JAと併走してミサトを乗り移させるトウジ。
ミサトをJAに乗せた後、参号機はJAにがっぷり四つに組んだ。

パスワードが変更されておりミサトの手ではなく、時間で炉心融解前に止まるJA。
ミサトは焦臭いものを感じていた。



司令室では報告を行うリツコの姿があった。

「葛城一尉の行動以外シナリオ通りでした」
「そうか・・・・ならば問題ない」

「はい、失礼致します」

「待て!」
「何でしょう?」

「・・・初号機のコアはどうなっている」
ゲンドウは一番の懸念事項を尋ねた。

「現状、人工的には復元は不可能、現在、零号機に乗せる事による自己修復を期待しています」
「・・・それはどれくらい時間が必要なのだ」

「前例がないため何とも言えません。最低でも一月は経過を見る必要があると考えております」
「・・・レイは見つからんか」
「その件ですが、第三分室に入室の記録があるのですが退室の記録がありませんでした。レイのベッドに患者用の服があったことから、そこでLCLに還ったのではないかと推測されます」
「・・・ATフィールドを解放したと言うのか」

「恐らく、素体を破壊した後に」

「・・・解った、下がれ」

「はい、失礼致します」

(そろそろ態度を決める必要があるわね・・・)
結論をこれ以上、先延ばしに出来ない事をリツコは感じていた。



艇に戻って来たシンジ達は大満足だった。
一応、今日何事もなかったかと、監視ログを見渡す。

「JAはやっぱり暴走させたようだね」
「NERVに取ってエヴァ以外が使徒を倒してはいけないんだよ、使徒相手にはお話にならないのは解っていても僕達も居る事だし、目障りなのには違いないからねぇ」

そして、特筆すべきこともなかったので寛ごうとしていたのだが、今日買って来た服のファッションショーが始まった。

レイ二人が次々と衣装を代え三人の前に出てくる。
シンジ二人はニコニコだった。

最初はレイが黒いシックなロングドレスに綾波レイが白いロングドレス。
社交界にでもデビューする気かと思う程、気品と可憐さが際だっていた。

次ぎはカジュアルな感じでレイが黒いタンクトップにオレンジのキュロット。
綾波レイは黄色のキャミソールにジーンズだった。

総勢10着程の衣装の後、出てきた二人はランジェリー姿だった。

「あ、綾波ぃ〜」
碇シンジはいつものように慌てている。
しかしカヲルの眼をしっかりと押さえていた。
少しは成長したようである。

「シンジ君、暗くて見えないよ、僕にも美しい物を見る権利はあると思うよ」
カヲルが碇シンジを説得しているが、彼には聞こえていなかった。

(これが遣りたかったのか・・・)
シンジは漸くレイの魂胆に気がついた。

「・・・今日買って来た物は全部見せるの」
レイが妖艶に微笑んだ。

綾波レイは恥ずかしそうに俯いている。

「そこからは二人っきりの方が良いんじゃないかな?」
シンジも慣れた物だった。

「・・・そうね」
レイはあっさり引き下がった。

綾波レイは更に顔を真っ赤にしている。

「じゃぁシンジ、後はそれぞれって事で」
「そんな、シンジさぁん」
碇シンジは焦ったが、綾波レイはテッテケテーと服を着に行ったのだった。


そしてシンジの部屋ではランジェリーファッションショーが繰り広げられている。

最初は白いレースの透け具合がかなり際どい物。
次ぎはピンクで前からはノーマルっぽいのだが、後ろはTバックだった。
レモン色でちょっとファンシーな物。
黒い悩殺ランジェリー。
と延々と続いて行ったが赤はなかった。

「これ全部、あそこで見せるつもりだったの?」
「・・・そうよ」
レイは妖艶な笑みを浮かべシンジに寄り添った。

シンジはベッドに横になっている。
そこにレイが寄り添ったため、シンジはレイを抱きしめる形となった。

「流石リリスだね」
「・・・リリスはルシフェルとベッドを共にするの」
「確かに・・・」
シンジはレイを後ろから抱きしめ、レイの首筋に唇を這わせた。

「さしずめ髭はアダムってところか」
「・・・どうしてそう言う事言うの?」
ムッとした顔をするレイ

「勿論、嫉妬さ」
そう言ってレイの唇を奪うシンジ。

レイもそれに応えシンジの舌に舌を絡ませる。

「・・・嫉妬はリバイアサンの特許よ」
ほんのり紅潮して息を弾ませながらレイが言う。

「じゃぁ僕は傲慢にレイを愛するさ」
「・・・何を言うのよ」
今までランジェリーファッションをしていたくせに真っ赤になるレイだった。

因みに今の話はユダヤの伝説である。
他の動物がつがいである事に嫉妬したアダムを見た神が、リリスを創ったのである。
しかし、リリスはアダムと対等の立場を主張し、二人の結婚は破綻したのである。
リリスは結婚が破綻した後、ルシフェルとベッドを共にしたと言われている。
その後、神がアダムから創り出したのが夫に従順な妻イヴである。
またイヴに知恵の実を食べさせた蛇はリリスが変化したものとも言われている。

嫉妬がリバイアサンと言うのはSCSの名前、「7つの大罪」の事である。
傲慢:ルシフェル
嫉妬:リバイアサン
怠惰:ベルフェゴール
好色:アスモデウス
強欲:マモン
大食:ベールゼブブ
怒り:サタン
と言われている。

そしてシンジの通り名がルシフェルであるのはこの事に由来している。

「・・・ゆびまんって何?」
「へ?」
「・・・札幌で若い女の子が言っていた言葉」
「気になるの?」
「・・・えぇ」

「女の子が口にする言葉じゃないよ、こういう行為だから」
「あっ・・・ぅんっ」
シンジ達は桃色空間に突入した。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。