第伍話
孤立するゲンドウ


NERV司令室にゲンドウと冬月が居た。

「今回はなんとか委員会のお陰で生き延びられたな」
「・・・老人達もまだ我々を切る訳にはいかんよ」
いつものポーズでゲンドウはニヤリとした。

「しかし、本部に帰ってから我々を見る職員達の眼が冷たいな、しかたのない事か」
「・・・ふん、奴らは所詮駒だ、問題ない」
ゲンドウにしてみれば、今までと大して違わないのだ。

しかし、ゲンドウに集まる不満を紳士的な態度で緩和する役目だった冬月にしてみれば、自分を見る眼が180度変わったように感じていたのだった。

「我々の居ぬ間に、第四使徒が殲滅されたらしいぞ、またもSCSの通常兵器でな」
「・・・問題ない」
ゲンドウは興味なさ気に言い放つ。

「これから、どうするつもりだ?」
「・・・赤木博士を呼べ」
ゲンドウは、インターフォンでリツコを呼び出した。


「失礼します」
リツコが司令室に入って来た。

「・・・報告しろ」
ゲンドウが威圧的に言う。

「何をでしょうか?」
いつもなら怯えていたリツコが堂々としている。
ゲンドウは気にもしなかったが冬月は訝しんだ。

「まず、我々が居なくなってからの出来事を時系列に報告して貰えるかな」
何も言わず睨付けているゲンドウに代わり冬月が促した。

「それは、SCSの占拠から解放されてからのNERV本部が取った行動と言う事でしょうか?」
「あぁ、それで構わないよ」
占拠されていた間は何もできなかっただろうと冬月は承諾した。

「SCSの占拠から解放された後、参号機の調整とフォースチルドレンの訓練を主とし、第四使徒に備えていました。
それと、平行し初号機のコアを零号機への乗せ替え作業を実施しております。
しかし初号機コアの物理的損傷が酷くデリケートな作業を強いられるため難行しております」

「SCSはすぐ解放したのかね?」
冬月は国連からの指示で解放されたと思っていたのだ。

「はい、司令達が後送されて程なく解放されました」
リツコは敢えてシンジ達がS級の機密を発令所で散々話した事には触れなかった。

ゲンドウと冬月が何も言ってこない事を確認し、リツコは報告を続ける。

「第四使徒襲来に参号機で対戦、葛城一尉の判断によりシェルターから出ていた民間人をエントリープラグに乗せそのまま後退するも、内蔵電源切れによる活動停止、その後SCSにより使徒は殲滅されました。
現状は、殲滅された使徒の処理と兵装ビルの修復、及びエヴァの修復とフォースチルドレンの訓練を行っております。
SCSを襲撃した際に諜報部が壊滅致しましたが補充はされておりません。
また諜報部が壊滅した事によりレイの捜索は実質行われていない状況です」

リツコは一気に報告を行った。

「・・・SCS襲撃の事実はない」
ゲンドウは言質を嫌った。

「残念ながら、ここで司令から「殺せ」とオペレータ達も聞いており、その件は発令所に司令達が来る前に葛城一尉が肯定してしまっております」

「・・・ぐっ」
ゲンドウは自分の失態を改めて思い知らされた。
しかし、その忌々しい思いの矛先はミサトに向かい、ミサトを殺してしまいたい衝動に駆られたが、それは、とある事情により行えない事だった。

「報告は以上です」
リツコが凛として言い放った。

「・・・下がれ」
自分の威厳が奈落の底まで落ちている事を知らずゲンドウが威圧的に言う。

「失礼します」
リツコはそんなゲンドウを内心、嘲りながら司令室を後にした。


(私は何故、初号機コアの復元が絶望的である事を報告しなかったのだろう・・・)
(あの人が恐いから?・・・)
(いえ、以前のように恐くはなかった・・・)
(そう、まだあの人を見捨てられないのね・・・)
(今それを告げるとあの人が壊れてしまいそうだから・・・)
(そして私に縋って欲しいから・・・)
(ロジックじゃないのね・・・)
リツコは自分のそんな気持ちを持て余していた。


「赤木君の様子が変ではないかね?」
「・・・問題ない」
ゲンドウはリツコはまだ自分に縋っていると微塵も疑っていなかった。

「参号機だけで使徒に勝てるのか?」
「・・・弐号機も輸送中だ、勝てなければSCSが出てくるだけだ」
「ならばNERVも要らないではないか」
「・・・初号機コアの復元、今はそれを待つだけだ」
ゲンドウは手袋を外し、自分の手の火傷を見つめていた。

冬月もコアの復元は絶望的だろうと感じていた。



冬月はリツコの執務室に向かった。
どうもリツコの様子が納得できないでいたのだ。
今まではゲンドウが睨むと怯えていた、しかしゲンドウに縋るような所を感じていたのだが、先程の報告時にそれが感じられなかったのだ。
ゲンドウは気にした様子はなかったが、SCSが占拠後、何もせずに引き上げたと言うのも気になっていた。

コンコン

冬月はリツコの執務室をノックした。

プシュッ
開かれる自動ドア。

「副司令?珍しいですね、何かありましたか?」
リツコは突然の来訪者に驚いた。
NERVに勤めてから冬月がこの部屋を訪れたのは初めてであったのだ。

「赤木君、一体何があったと言うのだ?」
「何の事でしょうか?」
「六分儀は気にも留めていなかったが、私には本部全体が何か変わったように感じて仕方ないのだよ」

リツコは冬月の意図が見えなかった。
しかし、別にここで起った事を話したからと言って、何も変わらないだろうと思い口を開いた。

「SCSが発令所を占拠して司令達が後送された後、SCS司令がS級の極秘事項を話して行きました」

「そ、それはどういう事かね?」
冬月は狼狽した。
S級の極秘事項と言えば、殆どゲンドウと冬月、リツコの3人しか知らない事ばかりであったからだ。

「セカンドインパクトの事実から使徒やエヴァについて、ゼーレ、人類補完委員会に人類補完計画、司令の計画も、果てはレイの出生やシンクロの実体についてまで話して行きました」
「な、何?!」

「現在のNERV職員でそれらを知らない者は居ないでしょう。信じているかどうかは別として」
「そ、そうだな、聞いただけで信じられる話でもないからな」

「ただ、発令所に居た者は、証拠としてMAGIのデータを見てますので疑っている者が居ない状況です」
「MAGIの?!」

「はい、占拠されていましたから」
「そ、そうだな・・・」

リツコは冬月の狼狽えぶりが可笑しかった。
(これなら、先程、報告していたらもっと面白かったかも知れないわね・・・)

「何故、先程の報告でその事を言わなかったのだね」
「SCS占拠中のことは、聞かれませんでしたから」
「し、しかしだね」

冬月の言葉を遮り、リツコが続ける。
「今回、司令達が戻って来る事は、その時SCS司令の口から予測されています。つまり、司令達が戻って来た事によりSCS司令の言った事に皆、確信を持ってしまったのです」
「・・・赤木君はこれからどうするつもりなのかね」
冬月は自分がどうしていいのか困惑しリツコの考えを聞く事にした。

「まだ、細かい事は考えていません。当面はエヴァの運用は無くす訳にはいかないと思ってます」
「使徒殲滅は行わなければならんと言う事かね」

「SCSの思惑が不明です。彼らが人類補完計画をどう捉えているのか、あまり好意的とは思えませんでしたから」
「私も六分儀と懐を分つ事を考えた方が良いのかもしれんな」

「あら副司令、ここでそんな事を言って宜しいのですか?」
リツコは不敵に微笑んだ。

「SCS司令が話した内容を、もう少し詳しく話してくれんかね」
「でしたら、保存されている映像をご覧になられた方が宜しいですね」

「それで構わん、見せてくれるかね」

それから小一時間、冬月はリツコの部屋で、その時の映像を見ていた。

「ここまでとは・・・」
冬月は驚愕した。
その内容は概ね冬月の知る所であったが、知らない内容も含まれていた。
自分の知識と照らし合わせても、そこで語られた事は全て事実と判断するのが賢明と思われた。

冬月よりも持っていた情報は少なかったリツコだったが、冬月の表情を見てリツコもその確信を得た。

「初号機のコアは復元の目処があるのかね」
「絶望的です。希望は零号機に乗せる事による自己修復ですが、期待はできません」

「何故、そう報告しなかったのだね」
「私自身、まだ身の振り方を決めかねています。今、司令に自棄になられるのは得策ではないかと」

「そうか、既に事態は六分儀の手を離れているのは明確だな。私も今後について少し考える事にするよ」

そう言って冬月はリツコの執務室を後にした。

「ゲンドウさんも孤立したわね・・・」
リツコは妖しく微笑んだ。



司令室でゲンドウはまだ自分の手に残った火傷を見てじっとしている。

22日前の第二実験場では零号機の起動実験が行われていた。

「これより起動実験を始める」
ゲンドウの声で始まる実験。

そして、暫くして事件は起こった。
「パルス逆流!!」
「中枢神経素子にも拒絶が始まっています!」
「コンタクト停止!」

リツコの指示で各職員が必死に現状を打開しようとする。
その時零号機が拘束具を引き千切った。

「実験中止!」
「電源を落とせ!!」
緊急レバーのカバーを割り、レバーを引くリツコ。

「零号機内部電源に切り替わりました!」

零号機は壁を殴り付けている。特殊装甲の壁がいとも簡単にへこみ破壊されていく。

「完全停止まで30秒」
「恐れていた事態が起こってしまったの!」

そして更に追い討ちを掛けるような事に発展した。

「オートイジェクション作動!!」
「いかん!!」

「硬化ベークライトを!」
リツコの指示で硬化ベークライトが零号機に吹き付けられる。

零号機の頚部から後方にプラグが射出された。
硬化ベークライトが凝固を始め、零号機の動きが鈍くなり始める。

エントリープラグは何度か壁や天井にぶつかり、天井の端に押しつけられる。

「レイ!!」

ゲンドウが実験室に飛び出した。
プラグはロケットの燃料が切れ落下し、床に叩きつけられた。

ゲンドウは直ぐに駆け寄り、ハッチを開けようとした。

「ぐおっ!」
余りの熱さに手を離し、同時に眼鏡が落ちるゲンドウ。
零号機の動きが止まった。

「くそっ!」
ゲンドウは、無理やりハッチを抉じ開ける。
掌は焼け爛れ、感覚は殆ど無い。

「レイ!」

ゲンドウは、プラグの中のシートに横たわるレイを呼んだ。
レイはうっすらと目を開け美しく透き通る赤い瞳が見えた。

「大丈夫か!?レイ!」

レイは絶対零度の視線でゲンドウを睨付けた。

「ぐっ・・・」
威圧されるゲンドウ。
救護班に運び出されるレイをゲンドウは見つめていた。

前日にゲンドウはレイの身体を求めていた。
ゲンドウとしては、自分がレイを必要としていると言う最大の意思表示のつもりだったのだが、レイには強烈に拒否された。
しかし、それもこの日の計画により、自分に縋るようになるとゲンドウは確信しており歯牙にも掛けなかったのだ。

高温のLCLによって眼鏡のレンズが割れフレームが歪んだ。


「・・・あれが計画通りに事が運ばなくなった最初だったな」
ゲンドウが自分の手を見つめたままポツリと呟いた。

「・・・そしてユイに瓜二つとなり私に微笑んでくれるシンジか・・・」
シンジは悪戯のつもりだったのだが、ゲンドウの心情には、かなりの影響を与えたようだ。

ゲンドウは何を思ったか、手元にある端末を操作し始めた。
そこに映し出されるのは、第参使徒戦に向かう初号機のエントリープラグの映像。
そこには黒いチャイナスーツを着、微笑んでいるユイに瓜二つのシンジの姿。
「・・・ユイ・・・」

ゲンドウは、また思考のループに落ち込んで行った。



発令所のメインモニターには第三新東京市付近の上空が映し出されていた。
正八面体の形態をした巨大な飛行物体が姿を現す。

「トウジ君いいわね?」
『何時でもOKです』
ミサトの問い掛けにトウジは軽く答える。
単純なトウジは既にミサトを盲信していた。

「葛城さん!敵の攻撃方法が何も解ってませんよ!」
いきなりエヴァを発進させようとするミサトにマコトが危険性を唱えた。

「それを調べに参号機を出すのよっ!」
ミサトは、そんな事には耳を貸そうとしない。

「しかしっ!」
マコトが尚も詰め寄ろうとしたがミサトは強行に出た。

「エヴァンゲリオン参号機、発進!」
「ぐっ!」
自分の方を見ようともせず、モニターに顔を向けているミサトに、もう何を言っても無駄だと思いマコトはしかたなく発進命令を遂行した。

「使徒内部に高エネルギー反応を確認、収束中です」
シゲルが悲痛に叫ぶ。

「何ですって!」
ミサトがそんな事は有り得ないとでも言うように喚いた。

「まさかっ・・・加粒子砲!?」
リツコの口から不可思議な兵器の名前が飛び出てくる。

「ダメッ!トウジ君避けて!」
ロックボルトを解放もしていないのにミサトが無理な指示を出した。

『わああああああ!!!!!!!』

マコトが機転を利かし参号機前方に遮蔽壁を出したが一瞬で溶け、加粒子砲が胸部に直撃、トウジの叫び声が発令所を埋め尽くす。
『わああああああ!!!!!!!』
叫び続けるトウジの絶叫に唖然とする発令所。

「早く下げてっ!!」
ミサトが喚く。

『あああああああああああああ!!!!!!』

下げていく事により参号機の胸から顔に掛けて加粒子砲が注がれる。

『あうううぅぅぅぅ・・・』

トウジは意識を失った。

「ケージに行くわ!」
ミサトは走って発令所を出て行った。

「パイロット心音微弱」
「心臓停止しました!」

「生命維持システム最大、心臓マッサージを!」
居なくなった作戦課長の代りにリツコが指示を出している。

「駄目です!」
シゲルがリツコの方を向いて叫ぶ。

「もう一度!」
モニターから眼を離さずリツコが指示を出す。

「パルス確認!」
「心臓活動を開始しました!」

その報告にホッと胸を撫で下ろすオペレータ達とリツコ。

「プラグの強制排除急いで!」
リツコが安心するも生命維持のため引き続き指示を出す。

ケイジでは参号機からエントリープラグが取り出されていた。

「LCL緊急排水」
「はい」
リツコの指示にマヤが返事を行い迅速な対応が行われた。

ケイジに着いたミサトが見たのは救護班に担ぎ出されて行くトウジだった。

「トウジ君!」

何のためにケージに来たのか、ミサトは一度叫んだだけだった。



発令所ではシンジがメインモニターに映し出された。

『NERVは戦闘能力を消失したと判断します。指揮権を委譲して頂けますか?』
第四使徒の時と変わらぬ口上をシンジが述べた。

「・・・まだだ」
それまで発令所の最上段で一言も発していなかったゲンドウが言った。

『参号機は敗戦、使徒はジオフロントに侵攻を開始したようですが、何か打つ手があるとでも?』
シンジは現状を正確に述べる。

「・・・使徒侵攻までは、まだ時間がある。これより使徒の特性を調査し作戦を立案する」

『それに費やす時間は後、どれくらいでしょうか?』

「日向君、使徒がジオフロントに到達するのに後どれくらいかかるかね」
冬月がマコトに使徒侵攻の予測時間を割り出させた。

「MAGIの予測では明日午前0時6分54秒。その時刻には、全ての装甲防御を貫通してジオフロントに到達するものと算出されています」

「・・・明日の0時に作戦を発動する」
決まってもいない作戦の実行時間をゲンドウが確定した。

『了解、SCSは明日0時に行われるNERVの作戦が失敗と判断したら指揮権の委譲を要請します』
そうシンジが言うと、メインモニターからシンジの映像が消えた。


「六分儀、作戦も決まってないのにいいのか?」
「・・・問題ない、葛城一尉が考える」

「何故SCSに委ねん?」
「・・・NERVが使徒を倒す実績を作らんと老人達が予算を寄越さん」

「成る程な、しかし倒せるかね」
「・・・問題ない」
何の根拠があるのだろうかと冬月も訝しんだ。


ゲンドウを除く発令所のメンバーは、さっさとSCSに委譲すれば良いと思っていたが、流石に未だ司令である人間が交渉している所には口は出せなかった。



今回は、少々大がかりな武器を投入しようと考えていたシンジは、上空で待機せず、まだ潜水艇に居た。

「やっぱり突然、発進されたね」
「でも、オペレータは止めていたようだったねぇ」

「これは早々にミサトさんのマインドコントロールを解かないとやばいかな?」
「・・・そうね」

潜水艇のオペレートルームでシンジ、カヲル、レイが話している。

碇シンジと綾波レイもそこで見ているのだが、口を出す様な事は滅多にしない。

「まぁ0時までは、何もする事がないから、お茶でも飲みに行こう」
シンジがそう言って、一同は食堂に向かった。

食堂と言っても、船の食堂とは思えない欧風の豪邸にあるような食堂だ。
そして、殆どの飲み物と食べ物は自動で作られる。

シンジ達は思い思いの飲み物を持ち、ソファーに腰掛けた。
ここには、本格的に食事を行うテーブルと、ちょっとお茶をするように寛げるテーブルがある。

両レイは紅茶にちゃっかりケーキまで持ってきていた。
あまり喋らない二人は、こういう時、他の事に口を使うのだ。

「でも、参号機一機でどういう作戦になるのかな?」
「・・・きっとヤシマ作戦の改良版(モグッ)」

「そうすると、盾を自走にするぐらいかな?」
「その確率が濃厚だねぇ」

「今回は例の武器を僕とレイで運ぶから、カヲル君も揺動のために出動してね」
「任せておくれ」

「二人で留守番って事になるけど、よろしくね」
「大丈夫です」
「・・・問題ありません(モグッ)」

「うん、多分何もないと思うけど、もし何かあっても僕達は必ず帰って来るから、心配しないで待っててね」
「「はい(モグッ)」」

その二人を見て三人は微笑むのだった。

「これが終ったら皆でどこかに出かけようか?」
「どこかって何処だい?」

「うーん、買物とか街に出かけようかなって思ったんだけど」
「NERVに見つからないかい?」

「街って言っても第三新東京市や第二新東京市に行くわけじゃないよ」
「どういう事だい?」

「碇家のある京都とかも避けたいから、札幌あたりどうかなって思うんだけど」
「それは良い考えだね」
「・・・札幌?」
レイが人差し指を顎に当て小首を傾げた。
この動作はどうやらレイがモデルだったらしい。

そしてその時、レイは自分の顎にケーキのクリームが付いていた事を知った。
顎に当てた人差し指で慌ててそれを取るとパクッと舐めた。
そんな様子を見ていたシンジとカヲルは微笑んでいる。
見られて居た事を知ったレイは顔を紅くし眼を泳がせていた。

「うん、結構大きい街なんだけど、セカンドインパクトの被害も少なくてね、日本だけどNERVが手を出していない数少ない街の一つさ」

「綺麗な街だって聞いた事があります」
碇シンジが言った。

「今でも四季とは行かないまでも季節の変化があるらしいよ」
「へぇそれは興味深いねぇ」
カヲルが本当に興味津々と言った表情をしている。

「・・・札幌、セカンドインパクト前は人口170万都市、現在でも政令指定都市」
綾波レイが言う。

「じゃぁ結構大きいんだ」
碇シンジが感心したように言った。

「セカンドインパクト前は札幌−東京間の旅客機は世界最多と言われていたんだよ」
「へぇ〜」
シンジの言葉に碇シンジが感心する。
なんか妙な空間だった。

「世間が落ちついた時に君達が生活する候補地でもあるんだよ」
「そうなんですか?」
シンジが驚いた。

「まぁ碇家に帰れるのが一番いいと思うんだけど、用意はしておいた方がね」
シンジはそう言うとウィンクをした。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。