白日夢 Daydream Believer
(]) You've got a friend.
(1)
第6使徒戦があった夜、シンジはリツコの部屋に呼ばれた。部屋にはリツコ一人が待っていた。
「ごめんね、シンジ君。できれば今日中に様子を聞いておきたいと思って」
「僕だけですか?」
「レイはこの後でね。別々に聞きたいの」
「あ、はい」
質問は使徒戦での様子だけだったので比較的短時間で終った。
「ありがとう。なかなか激戦だったのね」
「あのぉ、惣流さんは?」
「アスカは念のために中央病院に入院だけど嫌がってるから明日から学校かな」
「いきなり?」
「ミサトがね、学校行かなきゃしばらく入院だと言って脅かしたのよ」
「あぁ〜」
「ミサトらしいわ」
「では一緒に住むんですか?」
「理由は知らないけどアスカが抵抗してるわ」
「へぇー」
シンジが報告を終えても話を止めようとしないのにリツコは気づき聞いた。
「ところで何か質問でもあるのかしら?」
「はい。単なる思いつきなんですが、僕とレイの思考パターンは似てるんでしょう?」
「ええ」
「じゃあ、例えば二人一緒で初号機なり零号機にシンクロできるんでしょうか? あるいは惣流さんとレイや僕はどうなんでしょう?」
「それは戦いなれていないアスカにブリッジからじゃなく同乗して助けられなかったか……と言うことかしら?」
「まあ、それもあります」
「まあエントリープラグが一人用だから危険なことは無視するとしても、余りお勧めはできない。データとしては欲しいけれどね。
まずパイロット以外に無関係な人が乗ったら、思考ノイズでシンクロ率は落ちる。では経験のあるパイロットが乗った場合は? 相性にもよるけどシンクロ率は上がる場合もありえると思う。レイとシンジ君ならなおさら上がる率は高い」
「じゃあ……」
「でも実験していないのは危険もあるからなの。それはエヴァを介して二人がA10神経でつながってしまう可能性があるから。エヴァとの接続は双方向性でしょう?」
「親しくなれるってことですか?」
「どうかなあ。人は確かに孤立した存在だわ。でもその内側に他人が入ってきて我慢できるのかしらね。我慢できたとしても……。これは仮説だけどシンクロ中エヴァとパイロットは合体して一つの生物として活動していると思うの。おそらくパイロット二人でもね。我慢できたとしても、シンクロが終って一人になったとき余計に孤独感を覚えないかしら」
「じゃあそういう実験予定はないんですか」
「ええ。データとしては興味あるってミサトには話したっけかな。ああ、ミサトから聞いたの? それともレイやアスカと同じプラグに乗りたかったかな?」
「な、なに言うんですか!」
「その顔で言われてもね」
「え?」
シンジはアスカと乗った『夢』の記憶を思い出して赤くなっていた。
「ほらほら」
「リツコさん……」
「あら、男の子なら当然よ。そんなに気にしないの。じゃあレイと代わって、廊下にいると思うわ」
「はい」
立ち去りかけたシンジは部屋の隅に記憶にあるジュラルミンケースを見て驚いた。声を出さず歩みを止めないだけで精一杯だ。廊下にはレイが待っている。
「碇君?」
レイはシンジの幽霊を見たような顔を見て驚いた。
「ごめん、なんでもない。ここで待ってるから、使徒戦の話だけだからすぐ終るよ」
「ええ」
シンジが見たのは『夢』で加持がアダムを運んできたケースだった。
同じデザインのケースがネルフで採用されているだけなのだろうか? 今まで本部では同じものを見たことはない。今回リツコとは親しいしマヤとも過ごすことが多いので、技術局一課は自分の部屋も同然だからいろんな容器は見ている。
手が届かないとあきらめていたけれどあれに固められたアダムが入っているなら何か手が打てないだろうか……。いやリツコに見つからずに持ち出すのは無理だろう。しかも手に入れてもどうすれば良いか分からない。この世界も『夢』のままなら、あれは父ゲンドウがアダムとリリスの分身の結合を用いて母ユイの初号機と一体化するために必要だったものだ。それは自分には必要ないものだし、少なくても現時点では手に余るとシンジは結論付けた。
それからたいして待つ間もなくレイが退出してきた。
「明日は実験も訓練もない。ちょっと晩いけど僕たちのアパートまで帰ろうか」
「わかったわ」
(2)
ミサトに強引に入院させられた加持だが手は打っていた。主治医から外泊許可を取ったのだ。もともとミサトの強権による入院だったので主治医も同情的だ。しばらくすると待ち人もやって来てドアをノックした。
「あら加持君、元気そうじゃない」
「当たり前だ、リッちゃん。ちょっと海水は飲んだがかすり傷だけだぞ」
「まあ、いいわ。これで良いの?」
リツコが差し出したのはシンジが迷っていたケースだ。
「そうそう」
「睨まなくても封印はそのままよ」
「まさか、リッちゃんを疑うわけないさ」
「どうだかね。他の荷物はそのままにしてきたわよ」
「あとは着替えだけさ」
「じゃあね」
「おや、中身を聞かないのか?」
「教えてくれるの?」
「残念、極秘の任務なんだ」
「そうだと思った」
「わるいな。ところで恋路のじゃまをする気はないけど、こんど一杯どう?」
「恋なんてしてないわよ」
「あらま。したほうが良いよ。命短し恋せよ乙女ってってね」
「ミサトのコレクション?」
「え? この詩か。大正時代の歌さ」
「えらく古いわね」
「インパクト前世代は古いものが好きらしいぜ」
「アスカね」
「まあな」
「Gather ye rosebuds while ye may,
Old time is still a-flying;
And this same flower that smiles today,
Tomorrow will be dying. 」 (注)
「それは?」
「ウイリアム・ローズ」
「そりゃまた古いな」
笑いながら部屋を出て行くリツコを見送りながら加持はつぶやいた。
「どうしたんだ。噂どおり火遊びは終了なのかな。まさか俺に気があるわけじゃなし」
しばらく後、加持は碇ゲンドウの前にいた。
「いやはや、大変な目にあいましたよ。でも私はぬれねずみでもこれは無事です。封印確認しますか?」
「いや。かまわん」
「事情で、ちょっと赤木博士に手伝ってもらいましたが」
「彼女の仕事は信頼している」
「やはり、リッちゃんは空家か。既にここまで復元されています。人類補完計画の要ですね」
「ああ。最初の人間アダムだよ」
(3)
加持の病室を出たリツコは携帯の画面を確認した。
( 加持君をアスカが見張り、アスカをミサトが見張るか……。平和ね )
リツコはかなり正確にケースの中身を予想していた。最初から疑っていたわけではない。シンジがケースを見てぎょっとしたのに気づいたので、少し早く来て病院の検査装置を使って調べたのだ。幸い使徒の標本もたくさん持っていたので、緊急の患者を除きすべての画像診断装置に優先権を主張できた。
( さて、シンジ君があのケースを見たとしたら当然空母内だ。しかしたとえ加持君の部屋で見たにしても加持君が持っているのを見たにしてもケースはそれほど驚くものではない……と思うけど。かといって中身を知るはずはない )
自室に戻ったリツコはシンジの様子を何度も再生して見た。
( これではなんともいえないな。特異なケースなのは間違いないから加持君の持ち物が私の部屋にあってびっくりしたと言うのがもっとも確率が高いわね。私の勘違いか。でも、おかげで重要な情報を手に入れた。碇司令が個人で進めようとしている計画があるってことだわ。
おや、ちょっと待てよ。シンジ君がぎょっとしたのは、ひょっとして私と加持君の仲を疑ったのかしら。そういえばアスカも加持君の病室をなぜ……)
リツコはいやな予感がした。
(4)
翌朝シンジとレイは通学路を並んで歩いている。最初第壱中学を駆け巡った二人の過激な恋の噂は静まっていた。学校でも、洞木ヒカリが内偵したアパートでも、クラスメートのカップルと大差なかったからだ。それに特殊な仕事( 二人がパイロットだと全員が確信している )の二人が近くに住むのは当然だとも思えた。
最初は多かった無言の時間も減り肩を並べて歩けるようになってシンジは少しほっとしている。鈴原は『男はぺらぺら話すもんやない』とは言うが、シンジは根気良く話しかけたのがけっして無駄だと思わなかった。鈴原はシンジが良く話をする友人の一人になっていた。不思議なもので大きなきっかけがなくても親しくなった。彼とは引き合うものがあるらしい。もちろん鈴原の友人の相田とも話すようになった。
通学路の最後の交差点にその二人とヒカリが待っていた。最近欠席が多かったのに三人はいつも待っていたのだろうかとシンジは不思議に思った。元気に挨拶をして坂を上り始めると珍しく相田が話し始める。
「なあ、今日転校生が来るぞ」
シンジとレイは少し顔を見合わせた。アスカのことを知っているらしい。
「なんや今頃。それで女子か?」
「どういう意味よ、鈴原」
「委員長、別にたいした意味はあらへんて。普通聞くやろ、そのくらい。なあ、碇」
「碇君は関係ないわよ。綾波さんがいるし」
シンジは慣れない仲裁役を買って出た。
「いや、洞木さん。そうじゃなくて、男子の人数が今奇数で体育のチーム分けで半端が出るから鈴原は気にしてたんだ。それに鈴原には洞木さんがいるし……」
「まあ! 碇君」
「おい、何を言うんや」
「苦労人ですねぇ」
「まあ、ええわい。それで相田?」
「女生徒です。それに美人らしいですよ」
「ちょっと待て、なんで美人てわかるんや?」
「昨日手続きと挨拶に来ていたらしい。見た奴がいるんだ」
どうやらアスカの話ではない。昨日は船上だった。
「きのう?」
めったにないレイからの質問に相田は感激しきりだ。
「え、ええ、綾波さん。ぼ僕は見ませんでしたが、きっと綾波さんほどでは」
「何が僕や、におてえへんがな」
鈴原と相田に一人称論争がおきて決着がつかないまま5人は教室に着いた。他の三人は笑い続けた。
教室でも相田が美人転校生の話をぶち上げたので教室は騒然とした。男子はもちろん女子も興味津々で予鈴を待つ。担任だけが入ってきたとき廊下をのぞこうとした男子はヒカリに止められた。
「皆さんに今日は良いお知らせがあります。最近転出するクラスメートが多かったのですが、今日は……」
廊下で声が聞こえる。
「ちょっと。なんで、あんたが先なのよ」
「あなたみたいに派手なのが先に入ったら私が目立たないじゃない」
「な、なんですってぇ〜」
「……お二人の転校生をこのクラスに向かえて」
担任の紹介を待たず同時に飛び込んできたアスカと霧島マナをみてクラスに男子の歓声があがる。あきらめた担任は1時間目の自分の授業の自習を宣言すると全てをヒカリに託した。
教室の主導権をすぐに取ったヒカリもにらみ合っている二人の転校生の扱いには手を焼いた。アスカにじゃんけんの説明をして自己紹介はマナからになった。
「はぁ〜い。霧島マナです。第二新東京市から父の仕事の都合で転校してきました。え〜っと」 一人だけ下を向いているシンジはかえって目立っていた。 「あっ! シンちゃん。マナちゃんが来たよぉ」
「な、何で碇なんや!」
「ちょっとどうしてあんたがシンジを知ってるのよ」
「さっきから気安いわね。あなたこそ名前は? どうしてシンちゃんを知ってるの?」
「惣流アスカ・ラングレー。シンジやレイと同じエヴァンゲリオンのパイロットよ」
「え〜」
(5)
リツコはアポを取って霧島の部屋に来ている。研究機関から発展したネルフは今でも技術開発部や科学調査分析部が伝統的に優位だがリツコは拘泥せず足を運ぶ。リツコは加持に対する守秘の概要を知りたくて説明を受けた。
「わかったわ。ありがとう」
「大学時代の友人と言うとかなり頻繁に赤木博士と葛城部長の部屋に出入りすると考えられますね」
「ええ。性格も性格だし、それが妙でもないのよ」
「分かりました。こちらで気をつけますので、お二人は友人付き合いのままでどうぞ。さすがに加持君も気づくでしょうから無茶は控えるでしょう」
「そうだと良いんだけど」
「心配ないと思いますよ。ところでシンジ君たちの管理は赤木博士がされていると思うのですが」
「ええ、直接の上司はミサト、葛城一尉なんだけど、エヴァの特殊性やパイロット達が思春期なので戦闘時以外は私が責任者と言っても良いわ」
「では私の娘がシンジ君たちのクラスに転校したのは?」
「確認しています」
霧島マナの母親は既に死亡しているがもと人工進化研究所の職員であり赤木ナオコのMAGI−OSの研究にボランティアとして参加したこともある。そのため人格データが残っているのでA組に編入された。もっともデータ採取から死亡までの期間が長いので採用するにしてもコアの調整は難しい。
「申し訳ありません」
「何も謝ることないでしょう? 家庭の事情なんだから」
リツコの読んだ書類には第二新東京市でマナをあずかっていた親戚の都合で父親の所に来たと記されていた。
「実は……」
さすがのリツコも霧島の説明に少し驚いた。マナは派手な暴力事件で今までの学校にいられなくなったと言うのだ。
「まあ。大丈夫だったの?」
「幸い相手の命で別状はなかったので」
「え?」
「え? ああ、マナは、そのぉ危険に巻き込まれてはと……、学校の成績はともかく軍隊流の格闘術は性に合ったようです」
「あら。でも私に詫びることでは?」
「それが本人がチルドレンの護衛につきたいと希望してるのです」
「まあ!」
「実はこの前エヴァパイロットの事を聞かれて、のほほんとしている娘の薬にでもなればとその覚悟と普段の訓練の話をしてしまったのです。娘に説教のつもりだったのですが」
「それで技術は確かなのね」
「それはまあ。それに学内での護衛には今までも腐心していました。最初の一撃の盾になれるものがいれば部下も随分やり易くなります」
「いいの? それで」
「説得も随分しましたがどうやら頑固な所はそっくりで」
「ご息女を部下として使う困難さを理解して見えるなら何も言いません」
「自分の娘でもなければ子供に命がけの任務を任せられないでしょう」
「分かりました。それでしたら私のほうで司令と葛城一尉の許可を取りましょう」
「ありがとうございます。赤木博士にお願いしてよかった」
「それで娘さんはパイロットに憧れて?」
リツコはその資格があるマナなので確認をする。
「はあ、そのぉシンジ君に」
「あらあら」
(6)
その日一日女性陣の厳しい追及でアスカもマナも今のところシンジとは顔見知り程度ということが判明して男子生徒はみな一往に安堵した。少なくともスタートラインに大して差はないわけだし、シンジには綾波レイという強力なステディがいる。ただ親友二人はシンジの優柔不断を知っており、アスカはともかく積極的なマナの接近を危惧していた。
下校時シンジは玄関から二人にはさまれてしまった。
「碇。僕は君が紳士だと信じてるよ」
「紳士?」
「あほ。そんなんじゃ碇のボケには分からんわ」
「ボケって」
「あの赤毛の凶暴女はともかく、マナちゃんはやなあ」
「凶暴って」
「霧島さんには碇以外全員に均等にチャンスがあるってことさ」
やっと理解したシンジはすぐにヒカリに視線を向けた。男同士の話と思って少しはなれてレイと話していたヒカリは瞬時に意味を悟った。
「す ず は ら ぁ」
「な、なんや委員ちょ」
「いつまで綾波さんの場所を占拠してるの!」
「すまんかった、綾波。悪気はないんや」
「交代」
「ああ、分かってるって」
「早く来なさい」
「ちょちょ、委員長って」
「めがね君!」
「はい! 霧島さん」
「交代」
「えぇ〜!」
「じゃまなの」
「そんなあぁ」
マナはレイの反対側にくっついたわけではない。近いうちにその位置を獲得するつもりではいたが、校門を出たのでチルドレンの護衛との連携を考えたのだ。
素早くメールを打ってリツコの許可をもらったシンジはつかず離れず後方を歩いていたアスカに声をかけた。
アスカは全てを見ていた。世界基準で見て自分が劣るとは思わなかった。この学校でもアスカのほうがマナより話題には上がっていると思う。ただ仲間として溶け込む点では日本限定ならマナに歩がある。アスカは日本人とは外見が違う。かといってドイツでも受け入れられていたわけでは無いのはここでは言えない。
( だから子供の学校なんて嫌だったのに )
「惣流さん」
「なによ!」
「鈴原も相田も洞木さんも霧島さんも」
全員返事をして、シンジの言葉を待った。
「惣流さんと霧島さんの歓迎会を僕の部屋でしたいんだ。」
もっとも機嫌の悪かった相田とアスカもこの提案には満足した。
シンジは地下居住区( 天井都市の地下部分 )の部屋に全員を招待した。ヒカリたちはいったん帰宅してから、残りの四人は途中で買い物をしてからシンジの部屋に向かった。
地下と聞いて陰気な部屋を想像していたアスカは窓からジオフロントが見えるのに感激してキッチンへ向かおうとしたシンジを引き止めた。
「なかなか良い部屋じゃない。ファーストはこの隣に住んでるの?」
「僕がもう1ヶ所借りた部屋の隣だよ。学校は市の外周部にあるから、ここだと少し不便なんだ。と言っても一度乗り換えれば良いんだけどね」
「ミサトの部屋もこのくらいの広さなの?」
「たぶん。日本では大体このくらいまでの部屋が多いから」
「ねえ、私とミサトとの同居話のとき妙な顔してなかった?」
「そんなことないと思う。僕は行ったことないよ」
「そうかなあ。でもあの顔は賛成とはいえないわね。なぜ?」
「え〜ぇっと」 シンジは何とか続けた。 「ミサトさんのネルフの執務室は知ってるんだ。だからきっと」
ドイツでミサトを知っていたアスカはすぐに悟った。
「私としたことが、うかつだったわ」
「保護者役がミサトさんだといっても、嫌なら隣に住めば良いじゃないか」
「そうよね。あんたとファーストも一人暮らしなんだから許可は出るでしょうね」
「あのさ、惣流さん」
「なに?」
「クラスメートの前で綾波のことファーストって言うのは止めてくれないかな」
「わかったわよ。でも」
「綾波には僕が言うから」
「いいわ」
キッチンに来ないシンジをレイとマナが呼びに来た。
「碇君?」
「ちょっとシンちゃんがいないと進まないって」
「ごめん。霧島さんはゲストなんだからここで待っててよ」
「いいからいいから、どうせほとんど料理できないんだ」
「え?」
「ねえ、ゆで卵好き?」
「まあ、嫌いじゃないけど」
パーティーが始まったときシンジの前の大皿に山になったゆで卵あるのをヒカリは不思議に思った。
(脚注) 詩はロバート・へリック
薔薇はつぼみの間に集めよ
好機はたちまち君の前から飛び去らん。
今、君に微笑みかけるその花も
明日には散ってしまうのが定め。