白日夢    Daydream Believer


(XI) I will follow him.


(1)


 霧島マナがパイロット達の護衛役を兼ねているという話はクラスメートにはすぐに広まった。そしてその実力は旧市街で起こった大立ち回りをレイと一緒にいたヒカリが目撃し確認した。年上の三人組みの男達は特殊警棒を振るうマナに殲滅された。反撃と言うより先制攻撃の嫌いもあったが相手に恐怖を覚えたヒカリには正当防衛と思えた。
 またマナは直接シンジの護衛に立たず主にレイを護衛する立場で動いたので相変わらず男子生徒の人気をアスカと2分している。ネルフの外ではレイはたいていシンジと一緒にいるからマナにはそれで充分だったのだ。
 アスカの自衛能力が高いのは本人が主張しており、レイが実験に入ればシンジの護衛につけるし、シンジが訓練をするなら自分もそれに参加すれば良い。マナの作戦は巧妙なのだ。

 ここの所レイのターミナルドグマでの実験が続いており、シンジも登校は止めて訓練に集中して……。集中したかった。
「霧島さん」
「ねえ、シンちゃん。学校ではともかく二人きりならマナちゃんで良いよぉ」
「え? それ恥ずかしいって」
「まあシンちゃんならそうかな」
「あはは。でさあ、学校行かないの?」
「シンちゃん行かないんでしょう?」
「僕は訓練するから」
「私も!」
「だって」 マナは訓練受けるまでもなくシンジの受ける課題なら軽くこなすことができるのをシンジはその目で見ている。 「学内での護衛が主な任務なんでしょう?」
「ひょっとして私の成績を心配してくれてるの?」
「え〜っと」 確かにマナのテスト成績は芳しくない。 「そうじゃないけど……」
「えへへ。あれでも良くなったんだぞ。シンちゃんと綾波さんがそろって訓練の時はネルフで個人教授をつけてくれてるんだ」
「そうなんだ」
「それにさ。学校ではシンちゃんたちの護衛だって皆知ってるからね。行ったら責任放棄って思われちゃうじゃない」
「そうかなあ?」
「それに今日の講師はイズミさんでしょう?」
「うん」
「だからよ」
「ん〜?」
「あれ? お父さんの知り合いって言ってなかった?」
「ああ、そういえば」
「だから。ね?」
「じゃあ今回だけだよ」
「うぁ〜い」

 やって来たイズミは少し驚いた。
「あら、マナちゃんも一緒なの?」
マナも訓練に立ち会える立場になっているとは聞いていたがシンジが恥ずかしがって許可しないと思っていたのだ。
「えへへ。よろしく」
「シンジ君?」
「はあ。霧島さんも希望してますし、イズミさんとお知り合いと聞きました」
「ま、まあそうなんだけど……」
イズミは時間も限られており、シンジさえ良いなら二人いたほうが訓練のバリエーションも広がるので訓練を始めた。


(2)


 馬鹿にしていた日本の中学生生活だったがアスカは楽しんでいる。授業もレベルは低いが日本語の勉強と思えばアスカには充分歯ごたえがある。ネルフでの訓練もシンジたちに合わせていれば充分過ぎるほど受けることができた。何しろレイの実験時間は異様に多い。本部はドイツ支部より研究機関としての意味合いが強く、綾波レイがもともとプロトタイプの零号機のパイロットであり最近初号機に乗り換えたとはいえ、アスカやシンジと比べはるかに長時間の実験が組まれていた。

「まあ訓練とはいっても、これはこれで快感だけどね」
そうつぶやくとアスカはアサルトライフルの引き金を絞った。ドイツではエヴァの訓練として射撃は入っていなかった。おもにナイフや長柄の武器の練習をしていたのだ。ところが日本ではパレットガンやもう直ぐ実用化されるポジトロンライフルがエヴァの正式武器となっておりアスカは積極的に訓練している。もちろんインダクションモードでもいけるがMAGIの支援がない場合やとっさの行動では通常のシンクロでも扱えた方が便利だし安全性があがる。
 高度な訓練を受けたアスカは自分が戦闘中パニックになると以前は考えていなかったが最初の使徒戦で考えを改めざるを得なかった。
 レーザー銃での訓練は実弾に比べるとゲームのようでアスカはすぐに飽きてしまい、係官に合図して成績を作戦部と技術局一課に送るように頼み射撃場を出た。シャワーを使い中学の制服に着替える。レイがいつも制服でネルフに出入りしているのでアスカもならったのだ。アスカが検索した所、日本では学校の制服がフォーマルウェアでもあるのでどこで着ても間違いはないらしい。

 訓練場に人影が見えたのでアスカは入ってみるとシンジが体操の訓練をしていた。アスカの知る限り運動に関してはシンジはごく普通の中学生である。なぜかマナもいるがどうやら講師の手伝いをしているらしい。アスカは少し興味があったのでキャットウォークに上がり見学することにした。マナはすぐに気づいたようだ。
 アスカは格闘技以外のエクササイズに講師を使っていない。だいいち体力と柔軟性さえ維持できればアスカに今シンジがしているような訓練は不要だ。レイが時々参加しているのはきっとシンジと居たいせいだろうとアスカは思っていた。
 見ているとシンジは簡単なリズムに合わせて床運動を始めた。ぎこちないし高度な技はないが訓練の成果をうかがわせる出来だ。シンジが休憩になるとマナが交代で始めた。
「まるで猿ね」
アスカに言わせれば頭の中まで運動神経の詰まったマナにこんな訓練は不要だ。
 休憩が終るとシンジは講師と創作ダンスのような動きを始めた。先ほどの床運動の動きの要素をランダムに入れているらしい。
( 創作ダンスというより、格闘技の演舞かしら…… )
確かに軽やかに動くという練習には良いかもしれないが、使徒もそれに合わせて踊ってくれるわけではない。
( こんなことが役に立つのだろうか? )
 それでもアスカは気になりそのまま見ていた。しばらくすると実験の終ったレイも参加する。レイとシンジの演技を見て初めてアスカにはその意味がわかった。
( なるほど、エヴァが3機でも動きがばらばらなら使徒に各個撃破される。エヴァの動きを協調させる訓練か。まあシンジの訓練レベルなら必要ね )
「ちょっと待ってて! 私も参加する」
そう叫ぶとアスカは着替えの入ったダッフルバッグを持ってロッカールームに飛び込んだ。


(3)


 タンクから出たレイは赤木博士の質問に答えながら体を拭いていく。実験や訓練中に受けたイメージや感想を述べるのは今では全ての場合に行われている。すぐ質問をするのはイメージがぼやけるのを防ぐのもあるが早くレイを解放するためでもある。碇司令がいないので終ればすぐシンジの訓練に参加できる。
 レイは実験にゲンドウが居ようがいまいが気にしてはいないが、実験直後に食事に誘われなくなったのはありがたかった。LCLの中に長く居ると空嚥下と共に胃にかなり入るので直後の食事は苦しい。もっとも少し時間がたてば強い空腹を覚える。
 ロッカーに戻り携帯を確認するとシンジは予定通り訓練をしているので訓練着を着て制服は鞄に丸めて入れた。
 高速エレベーターでもターミナルドグマから訓練室のあるセントラルドグマLevel1までは4分ほどかかる。
 訓練室に入ったレイはキャットウォークにアスカが居るのを認めたが特に気にせずイズミに挨拶をするとウォームアップを始めた。マナが訓練に参加しているのは別に驚かなかった。最近格闘技系の訓練ではレイの相手をすることも多い。レイが来るまで代理をしてくれればイズミは訓練を進めやすかったはずだ。シンジはマナが『夢』に出てこなかった人物なので不審がっているが、未だにシンジが話してくれない夢の結末を変えたいなら条件が変わるのは良いことだとレイは思っている。もちろんどんな将来でも可能な限りシンジに協力しようとレイは思っている。碇司令の命に反しない限りは。
 ウォームアップが終ったのでレイは指示を求めにイズミに近づいた。
「レイちゃん、準備良い?」
「はい」
「じゃあ先ずシンジ君とのペアでやってみてね」
 最初は決められた動きで始まりエアロビクスに近いが、途中からは交互にリードしていくので難しい。シンジがリードしてくれる時の方がレイは好きだ。

I will follow him
Follow him wherever he may go
There isn't an ocean too deep
A mountain so high it can keep, keep me away

「うぁ、シンちゃんと綾波さんてば凄いよイズミさん」
「そうね。じゃあ、少しずらして」
「はい」 「了解」
一テンポ遅れてついて行く方が簡単そうだが音楽が体に染み付いているので意外に難しい。
「じゃあ三つ数えたら、また同期して。1 2 3 はい」
5分ほどでイズミは休憩にした。シンジがもたないのだ。
「はい、シンちゃんドリンク。綾波さんもどうぞ」
「ありがとう」 「ええ」
「そのまま聞いててね。このまえからやってる私の動きに対抗して二人が動くってやつだけど、今日はシンジ君の提案でマナちゃんが私の側について二人でやってみるわ」
「えへへ。私は元気だからね」
「それより霧島さん、イズミさんと動きあうの?」
「大丈夫よねえ、イズミさん?」
「ええ、今日は最初だから簡単な動きだけだし」


 シンジはイスラフェル戦を意識していた。最初から次の使徒を前提にした訓練をしていたらリツコに怪しまれるだろうが偶然人数が増えたのだからかまわないと思ったのだ。
 マナは自慢するだけあってすぐにコツをつかんだ。シンジはレイと動きを合わせるのは何か気分が良いし、イスラフェル戦を思い出して夢中でタイマーの音で止められるまで動き続けた。
「はい休憩」
 気づいていなかったシンジはアスカの声がしたので驚いた。
「ちょっと待ってて! 私も参加する」
「ア、アスカ」
「アスカ、ずっといたわよ」
「そうなの?」
「私が来た時はもう見学していた」
「へぇー」
アスカが自主的に参加してくれればエヴァの組み合わせがどうなっても対応できる。海岸で迎撃するなら一度で殲滅したいが失敗しても準備は万端というわけだ。でも夢のアスカはこの訓練の時に弱さを見せた。ひょっとしてあれがアスカの自身消失の第一歩だったのだろうか、シンジは少し不安になって善後策を考えてみた。


(4)


 加持がリツコの部屋に入るとリツコは何かの映像を一心に見ていた。そっと後ろに周る。どうやらパイロットの訓練のライブ映像のようだ。
「おや、盗み見かい?」
「映像が保安局一課と技術局一課に流れているのをシンジ君は承知してるわ」
「ほーぅ」 ( くそ! 急に声をかけても驚かないのは俺の腕が落ちたわけじゃないぞ。どうやらリッちゃんに鈴をつけられたらしいな ) 「シンジ君は大人なんだな」
「護衛について素直に霧島部長に相談したのよ。護衛がついているなら協力したい。それにはどうすれば良いかってね」
「それで不審人物として身辺を探られるのではなく、VIP並みの警護を受けているわけか」
「不審って?」
「ネルフに来てからのシンジ君の行動はあまりに見事すぎないか?」
「いくつか仮説は立てたわ」
「どんな?」
「それより、あなた自身はどうなのよ」
「俺か?」 ( しまった。やぶ蛇かな ) 「見ての通り清廉潔白! 裏も表もございません」
「あら。裏ばっかりで表がないのじゃなくて?」
( ますます、まずいな )
「そんなに日焼けしてないぜ。それよりアスカも参加なのか?」
加持は時間稼ぎに画面に話題を振った。着替えたアスカがシンジたちの所に近づいている。
( 赤木が碇司令の愛人のままだったら司令の味方と言えばとりあえず正解だったんだが…… )
「ええ。見ていて参加を希望したの」
「へぇ、アスカがねえ」


「あんたたち、もう止めるんじゃないでしょね」
「違うよ惣流さん。先に始めているとばてちゃうからさ」
「男のくせに軟弱なんだから」
「碇君は」
「はいはい、わかってるって。それでイズミさん……って呼んでいいの?」
「はい。見てらしたから、先ずやってもらおうかしら」
「いいわよ」
見ていただけのアスカだが演技は完全といって良かった。見ていた全員が驚く出来だった。


 加持も感想を述べる。
「さすがだな、アスカは」
「でも訓練の意義から見るとどうかしら」
「どういうことだ?」
「シンジ君は自分の能力を上げるために訓練しているけど、レイはシンジ君に合わせるためにしているってことよ」
「なるほど使徒に同時攻撃をしたり波状攻撃を仕掛けたいわけだ」
「そう。複数のエヴァの運用には考慮すべき点だわ」
「これもシンジ君の案かい?」
「零号機と初号機の相互互換試験とシミュレーションの結果からは当然の帰結ね」
「その帰結ってやつを聞いてみたいなあ」
「私の疑問にも答えてくれるならね」
( 腹をくくるしかないな。赤木との同盟に成功すれば報酬はでかいが )
「リッちゃんには敵わないなあ。で、ここで良いのかい?」
「ここでは拙いわ。今晩私の部屋へ」
「ご招待は俺がはじめてかな?」
「先日シンジ君が来たわ」
「なんとまあ、シンジ君のほうが一枚上手か」
加持は自分の言った軽口に意外に真実が含まれている気がした。


「さすがね、アスカちゃん。じゃあ先ずマナちゃんと」
「ちょっとイズミさん。指示には従うけど理由を聞かせて? どうして私がこの お転婆 マナと? 彼女の運動神経は認めるけど、これはエヴァパイロットの訓練なのよ」
「そうね。どう説明すれば良いか……。そうそうアスカちゃんはこの訓練に参加しようと思ったのはどうして? 結構長い時間見てたでしょう?」
「エヴァ戦闘での協調に役立つと思ったからよ。そのぉー、ファーストとシンジのを見てね」
「さすがよく見てるわ。アスカちゃんの演技は完璧よ、確かにね。優美さのレイちゃんに華麗さのアスカちゃん、採点つけろって言われれば点数的には決着つかないかもね」
「あのぉ、先生」
「あら、豪快さのマナちゃんでどうかな?」
「誉められた気がしないよぉ〜、シンちゃ〜ん」
「えぇ〜? あでやかなマナちゃんでどうかな」
「あぁ〜、シンちゃんがマナちゃんって呼んでくれたぁ〜」
「いや、その。霧島さん」
「うるさいわよ、あんたたち!」
「え〜、大事な話なのに。アスカのけち」
「パイロットのリズムや呼吸を合わせるのが私の訓練の真の目的なの。それにこの手の運動は見た目よりずっときつい。さっきアスカちゃんはシンジ君を軟弱と言ったけど、彼はここ数ヶ月の努力で同年齢の平均をはるかに超える心肺機能を身につけてるわ」
「シンちゃん偉い!」
「だぁかぁらぁ、うるさいって、マナ」
「べぇ〜」
「え〜っと、どこまで……、そうだ。そんなシンジ君でも一日にそれほど長時間この練習ができるわけじゃないの。マナちゃんは今回レイちゃんがいないとき代わりを務めたくらいだから最初の相手としては適当だと思うな」
「了解したわ。要するにどん臭いシンジまでレベルを落す練習ね」
「やれやれ」


(5)


 出勤して食べた朝食後のまどろみから覚めたミサトが何気なくディスプレイを確認するとアスカの射撃訓練の結果が届いていた。
「ほっほ〜、やるもんですね。さすがアスカ。ところで今どこに……」 操作を確認しながら検索をかける。 「なんでいちいちIDがいるんだってばよ! おや、まだ訓練中?」
さらに検索するとレイとシンジも同じ場所にいる。
「よし! 三把一絡げでミサトさん派に転向させよう」

 ミサトが訓練室に着いたときイズミは手拍子で四人に簡単なリズム体操をさせていた。ミサトに気づいたイズミは少し困ってしまう。ミサトに含む所はないが訓練に茶々を入れられたという講師たちの話を聞いたことがある。
 アスカの希望で延長したが大体今日の予定はこなしたのでイズミは終了することにした。シンジもアスカの手前音を上げていないが限界が近いはずだ。
「さて今日はここまでにして、クーリング・ダウンしましょう」
「もう?」
「ごめんね、アスカちゃん。こんどから三人で」
「えへん!」
「四人でするときのメニューも作っておくから」
「お願いします」
「もう終わりですか、イズミさん」
「はい、葛城一尉。予定時間を少し超過しましたがシンジ君はオーバーワークぎりぎりと思います」
子供たちは振り返った。レイは無表情に、シンジは少し困った顔で、アスカは不審げに、マナは面白そうに。アスカが口を開いた。
「どうしたの、ミサトさん。射撃訓練はちゃんとやったし結果も送ったはずだけど」
「すぐ確認した。良い成績だったわ」
「当然よ」
「どんな訓練かなって見に来たのよ。この後は格闘技?」
「イチサンマルマルに赤木博士のもとに出頭するまで三人ともフリーです」
「あ、ありがとう、レイ。じゃあ時間までちょっち徒手格闘でもやらない?」
口を挟もうとしたイズミをシンジが止めた。イズミには理由が分かる。作戦部長のクレームでイズミが講師から外されるのをシンジは嫌ったのだ。アスカはかなり実情をつかんでいたので異を唱えた。
「私は良いけどシンジはもう限界だし、ファーストも食事予定のはずよ」
出勤後食事をして睡眠を取ったミサトには理解できない。
「シンジ君は男の子だから大丈夫。レイだって食事は控えた方がダイエットに良いわよ
イズミが困った顔をしているのにマナは気づいた。
「でも葛城一尉」
「なに、マナちゃん」
ミサトは保安諜報部長のご令嬢に敬意を払わざるを得ない。
「シンちゃんは、ほんとに限界だよ」
ミサトも理論は知っている。シンジはまだ最強度のトレーニングを受ける準備が整わずエアロビクスが訓練の中心だし、今日の予定は終了ということなのだろう。
「でもね、マナちゃん。作戦部としてもパイロット三人同時の動きを見たいのよ」
「えへへ、アスカの相手なら私がしようか?」
アスカは何となくマナの意図を察した。
「マナに私の相手がつとまるかしら」
「ひょっとして恐いのかな?」
「何ですってぇ! ちょっとミサト審判して」
「ちょっとアスカもマナちゃんも喧嘩じゃないんだから」
「当たり前よ! で、競技は?」
「極東軍の徒手格闘技が得意だけど、スポーツ系なら空手、柔道……」
「空手!」
「いいわよ」
「さあミサト」
「ちょっと、シンジ君と……レイも……
二人がミサトを連れ去っていくのをシンジは小さなため息をついて見送った。
「さて、シンジ君。恒例のマッサージをしましょう」
「え!」
恥ずかしいので今までレイが参加したときだけはマッサージを受けていなかった。
「だって参加者増えちゃったから人目を気にしてたら毎回マッサージなしになる。それはお勧めできないわ。翌日の訓練に差し支えるから」
「マッサージ?」
「綾波。え〜っと、訓練後にイズミさんにしてもらってたんだよ」
「そう」
「だからこれからはレイちゃんにしてもらえるように」
「えぇ!」
「今日はレイちゃんの特訓ね」
「はい」
「恥ずかしいですよ」
「シンジ君は、ああ言ってるけど……」
「嫌なの?」
「そうじゃないけど」
「じゃあ」 「決定ね」
「とほほ」










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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
拙著は当該作品を元に作成した代物です。