第弐拾四話
最後のシ者
「ミサト・・・」
リツコの執務室に久しぶりにミサトがやって来た。
「猫が死んだの・・・おばあちゃんのとこに預けていた・・・ずっと構っていなかったの・・・突然・・・もう二度と会えなくなる」
「リツコ・・・何を言ってるの?」
「最初っから期待も望みも持たれてなかったのよ!私には何も・・・何も・・・何も・・・ウッウッ・・・どうしたらいいの?母さん」
泣き崩れて机に伏せるリツコ。
「リツコ・・・」
ミサトは掛ける言葉さえ持ち合わせていなかった。
参号機の封印解除とフィフスチルドレンの事を聞きに来たミサトだったがそれどころではないようだった。
―初号機の爆発跡――――――――――――――――――――――
「フンフンフ・フフフフ・フフフフンフフ〜ンフフ・・・フンフンフ・フフフフ・・・・」
ベートベン第九の鼻歌が聞こえてくる。
崩れた天使像に座ってカヲルが口ずさんでいた。
「歌はいいねぇ、歌は心を潤してくれる。リリンの産み出した文化の極みだよ。そう感じないか、惣流アスカラングレー君」
―バキッ―
カヲルの頭にアスカの鞄が飛んで来た。
「何言ってんのよ!さっさと降りてきなさいっ!!」
「痛いなぁ、失礼だが君は自分の立場をもう少し知った方が良いと思うよ」
「そんなの知ってるわよ!さっさと自己紹介しなさいっ!」
「僕はカヲル、渚カヲル、君と同じ仕組まれた子供、フィフスチルドレンさ」
「あたしの事はアスカで良いわ、行くわよカヲル!!」
「行くって何処へだい?」
「どうせNERVに行くんでしょ!付いてきなさい!」
「それは助かるよ」
―ミサト車中――――――――――――――――――――――――
カートレインでミサトとマコトが話しをしている。
「フィフスチルドレンが今、到着したそうです」
「フィフス?フォースじゃないの?」
「フォースは参号機の起動実験時に選出されていました。その後すぐ抹消されていましたが・・・」
「渚カヲル、過去の経歴は抹消済み、レイと同じね」
「ただ、生年月日はセカンドインパクトの同一日です」
「委員会が直で送って来た子供よ、必ず何かあるわ」
「マルドゥックの報告書もフィフスの件は非公開となってます。それもあってちょいと諜報部のデータに割り込みました」
「危ない事するわねぇ」
「それでフォースの事が解ったんです・・・フィフスのシンクロテストどうします?」
「今日の所は小細工を止めて、素直に彼の実力、見せて貰いましょ」
―実験室――――――――――――――――――――――――――
アスカとカヲルがシンクロテストを受けている。
「後、0.3下げてみろ」
冬月が指示を出す。
「はい」
マヤが答え操作する。
「このデータに間違いはないな」
冬月が確認する。
「全ての計測システムは正常に作動しています」
今度はマコトが応えた。
「MAGIによるデータ誤差、認められません」
「よもや、コアの変換も無しに参号機とシンクロするとはな、この少年は」
冬月が驚愕する。
「しかし信じられません、いえシステム上有り得ないです」
マヤの声が小さくなる。
「でも事実なのよ、事実をまず受け止めてから原因を探ってみて」
ミサトが指示を出す。
―コンフォート17―――――――――――――――――――――
(今、フィフスのデータをMAGIが全力を上げて洗っている、にも関わらず、未だ正体不明、何者なの?あの少年)
「アスカも未だ戻らず・・・また隣に居るのかしら・・・保護者失格ね私」
―NERVゲート――――――――――――――――――――――
「やっ僕を待っててくれたのかい?」
「そうよ!さっさと帰るわよっ!」
「帰る家、ホームがあるという事実は幸せに繋がる、良いことだよ」
「そうかもね」
「僕は、君ともっと話しがしたいな、一緒に行っていいかい?」
「だから、行くって言ってるでしょ!さっさと付いてきなさい」
そして手を繋ごうとしたカヲルの手にびくっとしてしまったアスカ。
「一時的接触を極端に避けるね君は、怖いのかい?人と触れ合うのが?他人を知らなければ裏切られる事も、互いに傷付くこともない。でも寂しさを忘れる事もないよ。人間は寂しさを永久に無くす事はできない、人は一人だからね。ただ忘れる事が出来るから人は生きていけるのさ」
「ちょっと恥ずかしかっただけでしょっ!」
そう言うとアスカはカヲルの手を握ってずかずか歩き始めた。
「常に人間は心に痛みを感じている、心が痛がりだから生きるのも辛いと感じる。ガラスのように繊細だね、特に君の心は」
「あたしが?」
「そ、好意に値するよ」
「コウイ」
「好きってことさ」
「それ、前にも聞いたわよ、ボキャブラリー少ないんじゃない?あんた」
―コンフォート17―――――――――――――――――――――
「シンジ君達が居ないこの部屋は寂しいねぇ」
「しかたないでしょ!」
「それで、何を話たいんだい?」
「話したいんじゃなくて聞きたいのっ!あんたが何をするつもりなのか、あたしが何をどうすればいいのか」
「随分、せっかちになったんだねぇ」
するといきなりアスカが抱きついた。
「ばかっ!シンジとレイが居なくなって、あんたが来るって聞いて、ずっとずっと待ってたんだからね」
「それは光栄だね」
「責任取りなさいよ!あんた」
「責任を取るって、何をすればいいんだい?」
「そんな事、聞くなっ!」
アスカの右ストレートがヒットした。
―モノリスの並ぶ会議室―――――――――――――――――――
『NERV、我らゼーレの実行機関として結成されし組織』
『我らのシナリオを実践させるために用意されたもの』
『だが、今は一個人の占有機関と成り果てている』
『さよう、我らの手に取り戻さねばならん』
『約束の日の前に』
『NERVとエヴァシリーズを本来の姿にしておかねばならん。碇、ゼーレへの背任、その責任は取ってもらうぞ』
―司令室――――――――――――――――――――――――――
「我々に与えられた時間はもう残り少ない、間もなく最後の使徒が現れるそれを消せば願いが叶う、もうすぐだよユイ」
じっと、右手を見るゲンドウ。
そこには融合したアダム(抜け殻だが)の身体がある。
この男には何が見えているのか?
―第三新東京市郊外―――――――――――――――――――――
「どう?彼のデータ入手できた?」
「これです、伊吹二尉から無断で借用してきました」
「済まないわねぇ、泥棒みたいなことばかりさせて・・・何これ?」
「マヤちゃんが公表できないわけですよ、理論上は有り得ない事ですから」
「そうねぇ謎は深まるばかりだわ。エヴァとのシンクロ率を自由に設定できるとわね。それも自分の意志で」
(またも形振り構ってらんないか)
―リツコ執務室―――――――――――――――――――――――
「聞きたい事があるの」
「ここでの会話、録音されるわよ」
呆然としているリツコ、もう何もする気がないのか、できないのか。
「構わないわ、あの少年のフィフスの正体は何?」
「恐らく最後の使者」
―参号機ケージ―――――――――――――――――――――――
「さぁ行くよ、おいでアダムの分身、そしてリリンの僕」
参号機の前に浮かんで行くカヲル。
眼が光り、起動する参号機。
―発令所――――――――――――――――――――――――――
「エヴァ参号機起動!」
マコトが叫ぶ。
「そんな馬鹿な!」
ミサトも叫ぶ。
「アスカを呼んで!一体誰が乗ってるの?」
「無人です、参号機にエントリープラグは挿入されていません」
マヤが報告する。
「誰も居ない?フィフスの少年ではないの?」
「セントラルドグマにATフィールドの発生を確認!」
「参号機?」
「いえ、パータン青、間違いありません使徒です!」
マコトが悲痛に報告する。
「何ですって!使徒・・・あの少年が?」
「駄目ですリニアの電源は切れません」
「セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖、少しでもいい時間を稼げ」
冬月が命令する。
「まさか、ゼーレが直接送り込んで来るとはな」
「老人は予定を一つ繰り上げるつもりだ、我々の手で」
―モノリスの並ぶ会議室―――――――――――――――――――
『人は愚かさを忘れ同じ過ちを繰り返す』
『自ら贖罪を行わねば人は変わらん』
『アダムや使徒の力は借りぬ』
『我々の手で未来へと変わるしかない、弐号機による遂行を願うぞ』
―発令所――――――――――――――――――――――――――
「装甲隔壁がエヴァ参号機により突破されています」
「目標は第二コキュートスを通過」
「エヴァ弐号機に追撃させろ」
ゲンドウが指示する。
「はい」
ミサトが答える。
「如何なる方法を持ってしても目標のターミナルドグマ進入を阻止しろ」
ゲンドウは今まで通りの命令を下す。
(しかし、使徒は何故参号機を)
ミサトは不思議に感じた。
冬月とゲンドウが小声で話しをしている。
「もしや参号機との融合を果たすつもりなのか?」
「・・・或いは破滅を導くためかな」
「しかし使徒は何故ターミナルドグマを目指す?」
「・・・老人達に情報を得ているのだろう」
「本能に従っていないと言う事か?」
「・・・或いはレイが復活しているのか」
―ターミナルドグマへ――――――――――――――――――――
「嘘よ!嘘よ!嘘よ!カヲルが使徒だったなんて!そんなの嘘よ!」
(知ってたけど・・・)
『事実よ、受け止めなさい、出撃、いいわね』
ミサトがアスカを諫め、出撃を指示する。
「遅いな、アスカ・・・」
カヲルは上を見ながら呟く。
『エヴァ弐号機ルート2を降下、目標を追撃中』
―発令所――――――――――――――――――――――――――
「弐号機、第四層に到達、目標と接触します」
―ターミナルドグマへ――――――――――――――――――――
「居た!」
「待っていたよ、アスカ」
「カヲルッ!手加減しなさいよっ!あんたっ!」
ニッコリ微笑むカヲル、それはいつものアルカイックスマイルではなくアスカに向けた微笑み。
―発令所――――――――――――――――――――――――――
『エヴァ両機、最下層に到達』
『目標ターミナルドグマまで後20』
「弐号機の信号が消えて、もう一度変化があった時は・・・」
「解ってます、その時はここを自爆させるんですね、サードインパクトが起されるよりましですから」
「済まないわね」
「いいですよ、貴方と一緒なら」
「ありがと」
―ターミナルドグマへ――――――――――――――――――――
「人の定めか、人の希望は悲しみに綴られている」
―キーーーーーーーーーン―
―発令所――――――――――――――――――――――――――
「どういう事?」
「これまでにない、強力なATフィールドです」
「光波、電磁波、粒子も遮断しています。何もモニタできません」
「まさに結界か・・・」
ミサトは最後の手段、本部施設の爆破を行うしかないことを決意した。
「目標、エヴァ弐号機、参号機、共にロスト、パイロットとの連絡も取れません」
マヤが叫ぶ。
「最終安全装置解除」
「ヘブンズドアが開いて行きます」
「遂に辿り着いたのね、使徒が・・・日向君」
合図を送るミサト。
頷く日向。
その時、衝撃が本部施設を襲う。
「状況は?」
「ATフィールドです」
「ターミナルドグマの結界周辺にさっきと同等のATフィールドが発生」
「結界の中へ進入していきます」
シゲルとマコトが交互に報告を行う。
「まさか、新たな使徒!」
ミサトが驚愕の叫びを発する。
「駄目です、確認できません、あっいえ消失しました」
シゲルが報告する。
「消えた?使徒が?」
理解不能の事態の続出に為す術がないミサトだった。
―ターミナルドグマ―――――――――――――――――――――
紅い十字架の前に浮いているカヲル。
そこには佇むシンジとレイとレリエルが居た。
参号機を引きずってくる弐号機。
「もういいよアスカ、降りてきて」
シンジが言うと、弐号機のエントリープラグが半分射出され、そこからアスカが出てきた。
「結界は綾波が引き継ぐよ、カヲル君とアスカはリエに送ってもらって・・・でも本当に良いの?アスカ?」
「しつこいわねぇ、このあたしが良いって言ってるんだから良いの!」
アスカは腰に手をあて、ピッとシンジを指さして言う。
「ここに居たって、もう先が無い事は解ってるし、ママも早く解放してあげたいし、あんた達と居れば楽しそうだしね」
「皆も喜びますわ、特にラミやサンは待ち焦がれておられます」
レリエルが珍しく意見を言った。
「じゃぁリエ、二人と一緒に一足先に島に行っておいてくれる?」
「はい、畏まりました」
「じゃぁシンジ君、また後で」
「先に行って待ってるわよ!」
カヲルとアスカがレリエルの方に歩みよる・
「うん、楽しんでて、こっちは仕上げをしておくから」
「・・・アスカの好きなケーキを用意しておいたわ」
「ダンケ!」
カヲルとアスカはレリエルの作った黒い穴に消えて行った。
「さぁ、最後の仕上げと行きますか」
「・・・解ったわ」
そして、シンジはレイと二人で強力なATフィールドを張ると、参号機と弐号機を自爆させた。
揺れるジオフロント。
―発令所――――――――――――――――――――――――――
「何が起きたの?」
ミサトがマコトの椅子に掴まり、なんとか立っている状況で尋ねる。
「ターミナルドグマで強力な爆発、初号機の爆発と同程度の大きさです」
「アスカは?!」
「通信、繋がりません」
「結界回復しました、目標並びに弐号機、参号機居ません!」
「どういう事?」
ミサトが困惑している。
「弐号機が自爆して使徒を倒したと言う事か?」
冬月がゲンドウに呟く。
「・・・或いは参号機の爆発に巻き込まれたか」
「どちらにしてもエヴァは失われたな・・・ゼーレが黙ってないぞ」
「・・・委員会には使徒殲滅とだけ報告する」
「皆さん、こんばんはぁ」
脳天気な声が発令所の上の方から聞こえてきた。
「「「「シンジ君!」」」」
「い、生きていたの?」
ミサトが聞いた。
「・・・レイ・・・戻って来たのか」
ゲンドウが喜色に飛んだ顔でレイに声を掛ける。
「ところで、NERVの皆さん、倒すべき使徒は全て倒したのですが、これからどうされます?」
「何を言っているのだねシンジ君」
レイが戻って正気を失っているゲンドウに代り冬月が尋ねた。
「嫌ですね、冬月先生、惚けなくてもいいでしょう?裏死海文書に記載された十八の使徒のうち十七番目まで殲滅したんでしょ?残るは十八番目のリリン、人類だけじゃないですか」
「何故、貴様がそれを知っている!」
ゲンドウが声を荒げた。
「碇!」
それは肯定しているのと同じ事であるのだが、口走ってしまったゲンドウを冬月は諫めたが遅かった。
「ほら、父さんも肯定していますよ、人類補完委員会が人類補完計画を実行するのも間近です。人類補完計画ってサードインパクトの事ですけどね」
「シンジ君、何を言っているのかね?」
冬月が取り繕う。
「13号機まで建造されている量産型エヴァシリーズ、使徒がこれで終りなのに何に使うと思います?サードインパクトには膨大なエネルギーが必要です。量産型エヴァはS2機関搭載型ですよね?日向さん」
「た、確かにそう言う情報はある」
突然振られた日向は、答えてしまった。
「人類補完委員会を隠れ蓑としたゼーレ、NERVの上位組織ですけど、そこが計画している人類補完計画は、人類を一つの生命体へ変換しようと言う物です、そんなの皆さん望んでいるんですか?」
「シ、シンジ、何故ゼーレを知っている、貴様は誰だ?」
ゲンドウが、目の前で暴露されていることに狼狽し、シンジを責める。
「そうそう、父さんはそれに乗っかって初号機に取り込まれた母さんに会いたかったんですよね?でも10年もエヴァのコアに居てまともな精神で居ると思っていたんですか?」
「何故、そんな事まで知っている?!」
「皆さんエヴァって何かご存じでしたか?アダム又はリリスをコピーして、コアに近親者の魂をインストール、だから専用機だったんですよ。初号機には僕の母さん碇ユイが弐号機にはアスカのお母さん惣流キョウコツェッペリンが取り込まれて居たわけです」
「だまれ!」
ゲンドウはシンジに向け発砲した。
―パンッ―カッキーン―
オレンジ色の壁に阻まれる銃弾。
「・・・碇君は私が守る」
「レイ、何故シンジを守る」
「ありがとう綾波」
微笑みながらお礼を言うシンジにレイも微笑む。
「レイ、アダムはここにある、何故私に従わん?」
そう言うと、ゲンドウは手袋を外し、右手をレイに見せた。
レイは侮蔑の眼を向ける。
「「「司令!!」」」
オペレータ達が叫ぶ。
「碇、それはまずいぞ!」
冬月もあまりのゲンドウの痴態に呆れ果てた。
「と言う事です、皆さんはアダムを自分の身体に融合させサードインパクトを起そうとしている人間に従って今まで仕事をしていたわけですね」
シンジは皆に言った。
皆、次々と起こる予想外の出来事にどうしていいのか解らない。
「話が進まないんで、その髭を押さえておいて貰えませんか?冬月先生」
「わ、解った、話を進めてくれ」
冬月はこの状況で現れたシンジが何を言うのか興味を持った。
既にゲンドウのシナリオは瓦解している、次ぎの行動は話を聞いてからでも良いと思った。
そしてシンジはセカンドインパクトの真相、使徒とは、地下に幽閉されていたもの、レイがゲンドウに作られた事、アダムについて、サードインパクトの真相等を話した。
「と言う事です、この後、量産型エヴァが完成したらA−801が発令されここは占拠されるでしょう、僕はそれまでに皆さん退職して逃げる事をお勧めしますよ」
「シンジ君、貴方はどうするの?」
ミサトが尋ねた。
「僕はエヴァに乗らなければただの中学生です。逃げますよ」
シンジは屈託のない笑顔で答えた。
もうここで融合してしまおうと考えたゲンドウはレイに叫ぶ。
「レイ!こっちへ来るんだ、お前は今日この日のために居たんだ」
「・・・嫌」
「レイ!何故だ・・・」
「・・・私は貴方の人形じゃない、私は貴方じゃないもの」
そう言うとレイはシンジの元へと近寄った。
「レイ!待ってくれ!」
「・・・駄目、碇君が呼んでいる」
「レイ君、一つだけ聞いていいかな?」
冬月が最後の疑問を投げかける。
「・・・何?」
「ロンギヌスの槍はどうなったんだ?」
「・・・あれはアダムの物」
シンジが自分の腕から紅い槍を出した。
そしてそれが伸び、二股になっている所でゲンドウの首を鋏んだ。
「ぐっ・・・」
ゲンドウがシンジを睨付ける。
「そうか、そう言う事だったのか・・・」
全てを察した冬月。
そしてゲンドウも今気がついた。
全ては仕組まれて居たのだ、自分が駒の予備としていた、息子に。
「それでは、愚かな決断をしない事を望みますよ、なにせ、あなた方はリリスより産まれしリリン、その末裔なんですから、愚かな事をすると綾波が悲しみます」
「「「「「!!!!」」」」」
そう言うとシンジとレイは発令所を後にした。